オルガノイド/オーガンチップイメージング

in vitroで培養された細胞は、長年にわたり、数多くの研究用途のためのモデルとして使用されてきました。培養細胞は懸濁液中または培養容器表面に接着した状態で維持されますが、単離された細胞の生理機能は、完全な組織や生物の生理機能とは大きく異なります。このため、オルガノイド、オーガンチップ(臓器チップ、OoC)、スフェロイドなどの3D細胞培養の需要が急速に高まっています。オーガンチップは、器官/組織の主要な機能を再現できるため、特に有望な創薬スクリーニングモデルとなっています。オーガンチップや一般的なオルガノイドでは、その組織内で複数の細胞型を使用することができます。

オルガノイド/オーガンチップイメージングに関連する製品

OrganoPlate®(MIMETAS社)で培養した血管新生モデルの3D画像

共焦点レーザー顕微鏡システムAX/AX Rは、3D細胞培養イメージングに適しています。AX/AX Rの使いやすさをさらに向上できる、人工知能(AI)をベースとしたAutosignal.aiは、観察に最適な励起レーザー強度やゲインを、自動的に特定して設定します。AX/AX Rは、8192×8192画素の高解像度スキャンと25 mmの視野数(FOV)を組み合わせた独自の設計により、オルガノイドなどの大きなサンプルの広範囲を、タイリングすることなく高解像度で取得できます。AX Rに搭載したレゾナントスキャナーは、25 mm の視野全体にわたり、最大2048×2048画素の高解像度で高速イメージングできるため、ライブイメージングに適しています。

●:使用可能 , ⚬:オプション

共焦点レーザー顕微鏡システムAX/AX R
相対的最大観察深度 ~100 – 500 μm
ディテクターの種類 マルチアルカリおよびGaAsPの単一PMT
視野数 25 mm
使用可能なサンプルアダプター AX / AX R
Emulate Chips yes
Emulate PODs yes
Mimetas Organoplates yes
AIM Biotech Chips yes
Nortis Chips yes
Tissuse Chips yes

オルガノイド/オーガンチップイメージングについて

腎臓チップ(近位尿細管上皮細胞)の機能レイヤー。CFI S Plan Fluor LWD 20XC対物レンズで取得。この対物レンズの特長は、長作動距離、補正環、広視野、および0.70の高NAです。これらの機能がなければ、チップ全体の高解像度イメージングは困難です。この画像は、チップの全体をカバーしており、生体模倣システム全体を捉えています。

オルガノイド/オーガンチップイメージング用の対物レンズ

オルガノイドなどの3D細胞培養モデルのイメージングにおける大きな課題は、サンプルに厚みがあることです。一般的に接着細胞は約5 µmの厚みがあり、光学ガラスの表面に貼りついているため、高NAの油浸対物レンズを使用して観察できます。しかし3D培養モデルは、厚みが数十~数百µmにおよぶ場合があり、光学ガラスの表面に直接付着できない可能性があるため、観察が非常に困難です。

対物レンズの選択は非常に重要です。高NAの油浸対物レンズは、作動距離が不足していることや、屈折率が3D生体サンプルと一致していないことがあり、光学収差の原因になります。これに対処するため、ニコンはシリコーン浸シリーズの対物レンズを開発しました。高NA、長作動距離、シリコーンオイルによる液浸により、屈折率の不一致を解消します。また、水浸対物レンズもシリコーン浸対物レンズと同様の利点があります。さらなる詳細については、CFI Apochromat Lambda S対物レンズシリーズをご参照ください。

オーガンチップ(臓器チップ、OoC)などの培養システムでは、多くの場合、対物レンズとサンプルの間に厚いプラスチックが使用されます。この問題に対しては、CFI S Plan Fluor LWD対物レンズシリーズが大変有用です。中でもCFI S Plan Fluor 20XCは、1.8 mmまでの容器の厚みを補正でき、1.3〜2.3 mmの長作動距離と、このクラスとしては非常に高いNA 0.70を達成しています。

神奈川県藤沢市のNikon BioImaging Lab -Shonan-

オルガノイド/オーガンチップ/MPSイメージングのためのニコン受託イメージングサービス

Nikon BioImaging Lab(NBIL) は、企業やアカデミア対して受託研究サービスを提供しています。現在、米国マサチューセッツ州ケンブリッジにNBIL -Cambridge-、オランダのライデンにNBIL -Leiden-、日本の神奈川県藤沢市にNBIL -Shonan-と世界3カ所に拠点があります。これらのラボでは、オルガノイドや市販のオーガンチップ(臓器チップ、OoC)/MPSモデルを含む3D細胞培養の共焦点イメージングに関する豊富な経験を有しています。

Nikon BioImaging Labに関する、詳細な情報やサービスの内容については、お気軽にお問い合わせください。

用語解説

ディテクターの種類
ポイントスキャン共焦点顕微鏡は、ポイントごとに蛍光シグナルを検出するため、光電子増倍管(PMT)などの単一要素のディテクターを使用します。
使用可能なサンプルアダプター
ニコンの倒立顕微鏡Ti2の電動ステージにセット可能な製品一覧です。
相対的最大観察深度
十分な解像度とS/N比で画像取得できる、おおよその観察深度範囲(Z軸)を指します。この値は、サンプルや容器の光学特性や蛍光標識などにより大きく変動します。
視野数
対物レンズ倍率1倍における観察範囲の直径です。