
対物レンズ
ニコンの顕微鏡用対物レンズは、高度な製造技術に裏打ちされた揺るぎない信頼性で、世界的に高い評価を受けています。独自のCFI無限遠光学系を搭載した対物レンズは、あらゆる倍率において高い解像度、透過率、像のシャープさや明るさなど、最高の光学性能を実現しています。
あらゆるニーズに応える、研ぎ澄まされた光学品質
対物レンズは顕微鏡にとって最も重要な要素であると言えます。ニコンは1917年に日本光学工業株式会社として創業して以来、光学技術の開発を積み重ね、1925年には交換式対物レンズと回転式レボルバーをそなえたJOICO顕微鏡を世に送り出しました。一世紀以上にわたり、光学製品の開発に携わってきた歴史を通じて、ニコンはこれからも革新的な光学技術を開発、製造し、生物科学の研究を支えてゆきます。
望みうる最高の光学性能を追求
1917年の創業以来、ニコンは光学ガラス製造の開発を積み重ね、ガラス製造から対物レンズの量産まで自社内で一貫して行える独自の体制を築いています。
すべてはガラスから始まる
対物レンズの製造はレアアース素材の調合から始まり、溶解を繰り返した後、形を整えて低速冷却し、目的の屈折率を達成したインゴットを形成します。さらにレンズの形に精密に研削したあと、高精度な研磨と独自のコーティングを施すことにより、1本の対物レンズを構成するさまざまなレンズへと仕上げていきます。
精緻を極める匠の技
高倍率対物レンズの先端に使用される「先玉」レンズは非常に小さく、難易度の高い研磨を必要とする特殊な形状であるため、機械ではなく、卓越した技を持つ熟練の技術者の手によって磨き上げられます。
このように、ガラス素材の製造から各レンズ要素の組み上げ、対物レンズとしての最終調整・検査までの全工程をトータルで遂行することにより、ニコンはお客様のニーズに応える高品質・高性能な対物レンズを提供しています。
最高の研究成果を実現するために
顕微鏡用対物レンズには、組織切片や無色透明なサンプルから、生細胞内の微小構造体の局在や相互作用、脳の深部組織のイメージングにいたるまで、さまざまな観察対象や研究目的ごとに異なる高度な性能が求められます。ニコンは高い光学技術を結集し、それぞれのアプリケーションに応じた最適な対物レンズを開発してきました。
最適なレンズ選びをサポート
「対物レンズセレクター」ウェブサイトでは、研究や観察の目的に合致した最適なレンズを手早く簡単にお選びいただけます。ご希望のアプリケーションカテゴリーや照明方法、対物レンズの種類、浸液などを選択していただくだけで、条件に合った対物レンズが全ての対物レンズラインナップから自動的に絞り込まれます。最適な対物レンズの仕様の一覧だけが表示されるため、一目で簡単に比較・検討いただけます。
OEM・DIYのコンポーネントを提供
ニコンは、100年を超える光学技術の開発実績をもとに、お客様の光学的条件を満たす仕様と品質の光学部品を幅広く製造し、安定供給を実現しています。
さまざまなお客様からのご要望に忠実に応えるため、設計から製造までのあらゆる段階で最高水準の品質確保を目指し、独自の開発に取り組んできました。
各対物レンズの詳細な特長や仕様、寸法図、透過率グラフなどを、「OEM」ウェブサイトからご覧いただけます。
幅広いラインナップ
最先端の生物科学研究を支える高い解像度と徹底した収差補正を誇る高性能対物レンズシリーズから、明るく鮮明な画像でサンプルの姿を忠実に捉える対物レンズシリーズにいたるまで、幅広い用途とニーズに応えるラインナップを取り揃えています。
New
シリコーン浸対物レンズシリーズ
細胞や組織にきわめて近い屈折率をもったシリコーンオイル浸液用対物レンズシリーズ。深部までクリアに明るく、安定して動態変化を観察でき、厚みのある細胞塊や組織に最適です。
New
CFI プランアポクロマート Lambda D シリーズ
すべての倍率で25 mmの広視野を実現し、複雑な生命現象を捉える高性能対物レンズ。高NAと長作動距離により、サンプルの深部まで鮮明に画像取得できます。 幅広い波長域において色収差を補正し、高精度な多色イメージングが可能です。
CFI アポクロマート TIRFシリーズ
標準のカバーガラス・液浸オイルを用いて高開口数1.49を実現した、ニコン対物レンズの中でも最も高い解像度を誇る対物レンズです。球面収差の補正環により、23℃と37℃において、球面収差を補正することが可能です。
CFI60 水浸対物レンズシリーズ
対物上下動式正立顕微鏡専用の低倍・高開口数・長作動距離を実現した水浸(Water Dipping)対物レンズです。
*他の対物レンズと同様に同焦点距離は、60mmです。
CFI プランアポクロマート Lambda シリーズ
ニコン独自の「ナノクリスタルコート」を採用し、近赤外域までの広い波長範囲において透過率を大幅に向上しました。さらに、高い開口数、近赤外域までにわたる色収差補正、視野周辺部までの優れた像の平坦性により、明視野、微分干渉観察はもとより、多色蛍光観察においても明るく鮮明な画像を取得できます。
CFI プランアポクロマート VCシリーズ
高度な色収差補正と高い解像度を誇る対物レンズです。明視野、微分干渉観察はもとより、多重染色蛍光観察において優れたパフォーマンスを発揮します。特に、短波長側の軸上色収差を補正しており、共焦点顕微鏡にも最適です。
CFI S プランフルオールシリーズ
近紫外域から近赤外域までの高い透過率とセミアポクロマートの色収差補正を実現。補正環により多様な培養容器に対応し、サーモプレート上に載せたディッシュやウェルプレートなど、厚い容器の観察も可能です。
ニコン_アドバンストモジュレーションコントラスト(NAMC)シリーズ
微分干渉観察ができないプラスチックシャーレを使用して、無色透明な試料をレリーフ状のコントラストをつけて観察することができる対物レンズです。
対物レンズセレクター
研究や観察の目的に合致した最適なレンズをお選びいただけます。
ご希望の使用目的、観察方法、対物レンズや浸液の種類などを選択するだけで、条件に合った対物レンズを絞り込むことができるため、容易に比較・検討が可能です。