スライドスキャン
スライドスキャンは、ホールスライドイメージングとも呼ばれ、顕微鏡スライド全体を連続的に撮影して、簡単に共有や参照が可能なデジタル版の詳細なスライド「バーチャルスライド」を作成することを指します。これにより、画像の特徴を簡単に定量化することができます。スライドスキャンは、基礎生命科学研究や製薬研究開発、地質学などの分野でますます普及しつつあります。
スライドスキャンに関連する製品
自動スライド顕微鏡イメージングシステムBioPipeline SLIDEは、大量のスライドスキャンやさまざまな研究に対応するためのソリューションです。電動正立顕微鏡Ni-Eに、Marzhauser Slide Express2自動スライドローダーを搭載したシステムです。BioPipeline SLIDEは、画像統合ソフトウェアNIS-Elementsにより完全に統合制御できます。また、200TBの追加データ保存容量のある、画像取得ワークステーションへの10GbE接続が可能な、オプションサーバーが使用できます。
●:使用可能 , ⚬:オプション
自動スライド顕微鏡イメージングシステムBioPipeline SLIDE | |
---|---|
スライド収納数 | 120枚 |
自動スライド交換 | yes |
透過光源 | LED or Halogen |
オートフォーカス | yes |
カメラの搭載 | カスタマイズ可能(カラーおよびモノクロカメラが選択可能) |
データ保存 | ローカルストレージ 専用サーバーストレージ(オプション) |
観察方法 | BioPipeline SLIDE |
明視野 |
yes |
暗視野 |
yes |
微分干渉(DIC) |
yes |
落射蛍光 | yes |
位相差 |
yes |
*BioPipeline SLIDEは、医療用途にはご利用いただけません。
スライドスキャンについて
スライドスキャンシステムの選択における主な注意事項
スライドスキャンシステムの開発や最適化は、大きく進歩しています。スライドスキャンシステムを選択する際に考慮すべき主な検討項目と注意点は以下の通りです。
- 通常使用するスライドは何枚か、またシステムに同時に搭載できるスライドは何枚か。
- 必要とされる解像度のレベルはどの程度か。これにより、使用する対物レンズが決定し、スライドごとの取得期間や生成されるデータの総量に直接影響します。
- 電動システムの精度は十分か。各画像がソフトウェアによってうまく結合されているか。画像タイリングや画像貼り合わせにアーティファクトが発生していないか。
- 必要とされる画像解析機能は何か。専用のターンキーソフトウェアモジュールのあるアッセイや、解析ワークフローのカスタマイズが必要なアッセイもあります。
- どのような観察方法が必要か。多くのアプリケーションでは、明視野観察が行われます。しかし、蛍光などの別の方法が必要な場合もあります。
- データ管理計画はあるか。どの程度のストレージ容量が必要か。
スライドスキャンの顕微鏡ソリューションに関する詳細情報
スライドスキャンの製品情報については、こちらのページ をご覧ください。
用語解説
- オートフォーカス
- ここでのオートフォーカスは、電動ステージと連携し、画像のコントラストに基づいて最適なZ焦点面を探すソフトウェアベースのオートフォーカスを指します。
- カメラの搭載
- ニコンは高速カラーカメラや蛍光用モノクロカメラなど、さまざまな用途に合わせたカメラを用意しています。
- スライド収納数
- システムに同時に搭載できるスライドの最大数です。
- データ保存
- 顕微鏡スライド全体の撮影では、適切なデータ保存機能を確保することが課題となります。一枚のスライド画像のファイルサイズは、数百MBになることがあります。
- 自動スライド交換
- スライドの交換は、サンプル交換システムによって自動的に行われます。
- 観察方法
- HE染色スライドの標準的な観察方法は明視野観察です。用途に応じて、落射蛍光なども選択できます。
- 透過光源
- 透過光観察の光源には、ハロゲンランプを使用します。