2025年7月1日
顕微鏡事業は100周年を迎えました。

ミクロの世界から生命(いのち)の未来を照らせ。

「ミクロの世界」に挑み続けてきた100年間。
見たいと挑み、知りたいと願い
顕微鏡で見つめた「ミクロの世界」が
科学の、医療の、世界の、
人々の可能性を拡げ、
明るい未来へとつながっていく。
 
わたしたちの光の技術が
今日も世界中で、
新たな発見をもたらし
生命の可能性を輝かせている。
これからも、わたしたちの光は、未来を照らし続ける。

代表取締役 兼 社長執行役員 德成旨亮
取締役 兼 専務執行役員 ヘルスケア事業部長 大村 泰弘

100周年記念 NIKON JOICO AWARD展

Exhibition

開催期間

2025年4月1日~

開催場所

株式会社ニコンソリューションズ 東京ショールーム(東京都・大崎)

Magnified

Exhibition

開催期間 
2025年3月15日~2026年1月30日

開催場所

オランダ ARTIS-Micropia

Nikon Small World展

Exhibition

開催期間

2025年4月19日~2026年5月3日

開催場所

韓国 ソウル市立科学館
 

Nikon Small World展

Exhibition

開催期間

2023年5月1日~2027年6月30日

開催場所

アメリカ カリフォルニアサイエンスセンター

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

Webinar

開催日

2025年7月4日(金)

登壇者

豊田 正嗣先生(埼玉大学)

顕微鏡事業100周年記念講演

Webinar

開催日

2025年7月10日(木)

登壇者

岡部 繁男教授(東京大学大学院)
服部 信孝教授(順天堂大学大学院)

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

Webinar

開催日

2025年8月22日(金)

登壇者

石川 智愛先生(マサチューセッツ工科大学)

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

Webinar

開催日

2025年10月8日(水

登壇者

長谷川 哲雄先生(ケンブリッジ大学)

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

Webinar

開催日

2025年12月12日(金)

登壇者

佐田 亜衣子先生(九州大学)

100周年記念 NIKON JOICO AWARD展

Exhibition

100周年記念 NIKON JOICO AWARD展

開催期間

2025年4月1日~

開催場所

株式会社ニコンソリューションズ 東京ショールーム(東京都・大崎)

概要

NIKON JOICO AWARDの受賞作品の展示、および顕微鏡事業100周年パネルへのメッセージボード掲示
 

Magnified

Exhibition

Magnified

開催期間 
2025年3月15日~2026年1月30日

開催場所

オランダ ARTIS-Micropia

概要

顕微鏡およびNikon Small World受賞作品展示

Nikon Small World展

Exhibition

Nikon Small World展

開催期間

2025年4月19日~2026年5月3日

開催場所

韓国 ソウル市立科学館

概要 

Nikon Small World 2024受賞作品展示

Nikon Small World展

Exhibition

Nikon Small World展

開催期間

2023年5月1日~2027年6月30日

開催場所

アメリカ カリフォルニアサイエンスセンター

概要

Nikon Small World 受賞作品展示

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

Webinar

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

開催日

2025年7月4日(金)

登壇者

NIKON JOICO AWARDシリーズウェビナー
豊田 正嗣先生(埼玉大学

 

顕微鏡事業100周年記念講演

Webinar

基調講演

開催日

2025年7月10日(木)

登壇者

岡部 繁男教授(東京大学大学院)
服部 信孝教授(順天堂大学大学院)

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

Webinar

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

開催日

2025年8月22日(金)

登壇

NIKON JOICO AWARDシリーズウェビナー
石川 智愛先生(マサチューセッツ工科大学)

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

Webinar

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

開催日

2025年10月8日(水)

登壇者

NIKON JOICO AWARDシリーズウェビナー
長谷川 哲雄先生(ケンブリッジ大学)

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

Webinar

顕微鏡事業100周年特別企画 「受賞者の今」

開催日

2025年12月12日(金)

登壇者

NIKON JOICO AWARDシリーズウェビナー
佐田 亜衣子先生(九州大学)

お客様からのメッセージ

マディー・パーソンズ教授

キングス・カレッジ・ロンドン 細胞生物学教授、キングス・カレッジ・ニコン・イメージングセンター所長、研究評価枠組(REF)担当学部長
私たちは、高度なイメージング技術を活かした、組織と3Dモデルを研究し、がんや線維症などの疾患において細胞がどのように環境を感知し反応するかを可視化しています。…

キム・ウンギョン博士

CHA University Medical Center、Global CHA Embryolab Academy、不妊治療トレーニングセンター室、不妊治療TQM室長 
GCEA(Global CHA Embryolab Academy)の設立に携わり、最新の機器・設備と高水準な研修プログラムの導入によって、胚培養士の体系的な育成の基盤を築きました。当施設では、…

ニッキー・コートハウト

VIBバイオイメージング・コア・ルーヴェンVIB-KUルーヴェン脳疾患センター
過去15年間、最先端の顕微鏡操作とノウハウを提供し、脳疾患のメカニズムを解明する研究にフォーカスしてきました。顕微鏡は私の研究の要です。基本的なスライド観察から、高度な共焦点観察法まで、脳内の標的を可視化することで、神経…

マシュー・コフロン博士

シンシナティ小児病院医療センターバイオイメージング・分析施設 ディレクター 、シンシナティ大学医学部  小児科教授
私は、シンシナティ小児病院医療センター(CCHMC)のバイオイメージング・分析(BAF)ディレクターです。BAFの目標は、高性能な共焦点顕微鏡、二光子顕微鏡、広視野顕微鏡、ライトシート顕微鏡、そして画像解析装置の費用対効…

W・グレゴリー・ソーヤー

モフィットがんセンター(フロリダ州タンパ)、バイオエンジニアリング最高責任者 、バイオエンジニアリング部門長
私は、モフィットのバイオエンジニアリング部門を統括し、3Dの腫瘍モデリング、免疫療法、バイオイメージング分野の先駆者として、がん研究の加速、体内のドラックデリバリーシステムの改善、そして革新的ながん治療法の開発に取り組ん…

ホ・ウォンド教授

KAIST(韓国科学技術院)、生命科学科
私たちの研究室では、バイオイメージング技術を開発し、ニコンの高性能な顕微鏡を用いて、がん細胞、神経細胞、幹細胞などの細胞シグナル伝達や細胞機能を探求しています。また、光によって細胞機能を精密に制御する「オプトジェネティク…

ショウリヤ・ダッタ・グプタ博士

インド工科大学 ハイデラバード校 、材料科学・冶金工学 准教授
私たちの研究室では、センシング、光変調、信号増幅のためのプラズモニックナノ構造を研究し、新しい機能を備えた高感度かつ低コストの診断デバイスの開発を目指しています。 ニコンの倒立顕微鏡 ECLIPSE…

クリストフ・レテリエ

マルセイユ神経生理病理学研究所グループリーダーニコンセンターオブエクセレンス所長
私は、NeuroCyto(神経細胞)の研究室を率い、高度な顕微鏡技術を活かして神経細胞内の分子集合体を観察し、その独特な細胞生理機能を解明することに取り組んでいます。そのために顕微鏡による観察技術をさまざまに進化させ、新…

石井 優 教授

大阪大学大学院 医学系研究科長・医学部長、免疫細胞生物学科教授
免疫細胞は体の中で動き回って仕事をしています。このような細胞の動きのありのままの姿を解析するために、多光子励起顕微鏡を用いて、生きた組織・生きた個体の中で、生きた細胞を観察する研究を行っています。No…

当社製品についての医療従事者のコメントが記載されていますが、当社製品の効能、効果及び性能を保証するものではなく、当該医療従事者が当社製品を公認し、推せんし、指導し、または選用していることを示すものでもございません。

マディー・パーソンズ教授

キングス・カレッジ・ロンドン 細胞生物学教授
キングス・カレッジ・ニコン・イメージングセンター所長
研究評価枠組(REF)担当学部長

役職・所属等は本サイト公開当時のものです。

私たちは、高度なイメージング技術を活かした、組織と3Dモデルを研究し、がんや線維症などの疾患において細胞がどのように環境を感知し反応するかを可視化しています。
顕微鏡は私たちの研究にとって不可欠です。生物学的なスケール全体にわたる、空間ダイナミクス、相互作用、そしてメカニズムへの精緻な分析を可能にします。私たちは、ニコンの素晴らしいコミュニティの一員として、世界中の優れたイメージングチームと協力し活躍しています。

キム・ウンギョン博士

CHA University Medical Center
Global CHA Embryolab Academy
不妊治療トレーニングセンター室
不妊治療TQM室長 

役職・所属等は本サイト公開当時のものです。

GCEA(Global CHA Embryolab Academy)の設立に携わり、最新の機器・設備と高水準な研修プログラムの導入によって、胚培養士の体系的な育成の基盤を築きました。当施設では、 すでにニコンの顕微鏡を数多く使用していますが、特に顕微授精用のECLIPSE Ti2-Iはマイクロマニピュレーションのワークフローを大幅に短縮しました。各種の自動化機能により、作業者の負担が大きく軽減され、作業効率も大幅に向上したことに、とても感銘を受けています。GCEAでは、今後もこうした先進の技術を積極的に採用し、生殖補助医療(ART)の革新に継続的に取り組んでいきます。

ニッキー・コートハウト

VIBバイオイメージング・コア・ルーヴェンVIB-KUルーヴェン脳疾患センター

役職・所属等は本サイト公開当時のものです。

過去15年間、最先端の顕微鏡操作とノウハウを提供し、脳疾患のメカニズムを解明する研究にフォーカスしてきました。

顕微鏡は私の研究の要です。基本的なスライド観察から、高度な共焦点観察法まで、脳内の標的を可視化することで、神経変性疾患を持つ人々の生活に影響を与える原因の解明に応えています。研究で取得したいくつかの画像は、生物学の素晴らしさを訴え、研究者コミュニティの興味を喚起する新たな情報提供のために使用しています。

マシュー・コフロン博士

シンシナティ小児病院医療センターバイオイメージング・分析施設 ディレクター 
シンシナティ大学医学部  小児科教授

役職・所属等は本サイト公開当時のものです。

私は、シンシナティ小児病院医療センター(CCHMC)のバイオイメージング・分析(BAF)ディレクターです。BAFの目標は、高性能な共焦点顕微鏡、二光子顕微鏡、広視野顕微鏡、ライトシート顕微鏡、そして画像解析装置の費用対効果の高い導入方とトレーニングをユーザーに提供することです。

大規模な小児医療研究センターの共有施設の所長として、研究者が最終的に子供の健康を改善する研究を行えるように努めています。

W・グレゴリー・ソーヤー

モフィットがんセンター(フロリダ州タンパ)
バイオエンジニアリング最高責任者 
バイオエンジニアリング部門長

役職・所属等は本サイト公開当時のものです。

私は、モフィットのバイオエンジニアリング部門を統括し、3Dの腫瘍モデリング、免疫療法、バイオイメージング分野の先駆者として、がん研究の加速、体内のドラックデリバリーシステムの改善、そして革新的ながん治療法の開発に取り組んでいます。

モフィットでは、高度な顕微鏡技術とバイオエンジニアリングを融合させ、将来的には、患者さま一人ひとりに合わせた高精度な3D腫瘍モデル作成の実現を目指しています。これらのモデルはリアルタイムで高解像度な評価を可能にし、個別のがん治療法の発見に貢献します。

ホ・ウォンド教授

KAIST(韓国科学技術院)
生命科学科

役職・所属等は本サイト公開当時のものです。

私たちの研究室では、バイオイメージング技術を開発し、ニコンの高性能な顕微鏡を用いて、がん細胞、神経細胞、幹細胞などの細胞シグナル伝達や細胞機能を探求しています。また、光によって細胞機能を精密に制御する「オプトジェネティクス(光遺伝学)」技術の開発にも取り組んでいます。
将来的には、バイオイメージング、分子オプトジェネティクス、タンパク質工学、mRNA制御技術を融合することで、脳科学の基礎研究に革新をもたらすとともに、脳疾患治療の新たなパラダイムを提案したいと考えています。

ショウリヤ・ダッタ・グプタ博士

インド工科大学 ハイデラバード校 
材料科学・冶金工学 准教授

役職・所属等は本サイト公開当時のものです。

私たちの研究室では、センシング、光変調、信号増幅のためのプラズモニックナノ構造を研究し、新しい機能を備えた高感度かつ低コストの診断デバイスの開発を目指しています。 
ニコンの倒立顕微鏡 ECLIPSE Ti2-UおよびTi2-EとAX R 共焦点レーザー顕微鏡システムを組み合わせて使用し、プラズモニックデバイスの特性評価と、超高感度技術開発の鍵となる光と物質の相互作用の研究のためのカスタムプラットフォームを構築しています。

クリストフ・レテリエ

マルセイユ神経生理病理学研究所グループリーダー

ニコンセンターオブエクセレンス所長

役職・所属等は本サイト公開当時のものです。

私は、NeuroCyto(神経細胞)の研究室を率い、高度な顕微鏡技術を活かして神経細胞内の分子集合体を観察し、その独特な細胞生理機能を解明することに取り組んでいます。そのために顕微鏡による観察技術をさまざまに進化させ、新たな生物学的発見を目指しています。
私の科学者としての活動と発見は、すべて顕微鏡の接眼レンズを通して得られたものでした。偉大なメジャーリーガーのヨギ・ベラ氏が語ったように「よく見ることでより多くのことを観察できる」のです。いま、超解像顕微鏡とAIにより、私が研究を始めた約25年前には不可能だったことが可能になっています。

石井 優 教授

大阪大学大学院 医学系研究科長・医学部長
免疫細胞生物学科教授

役職・所属等は本サイト公開当時のものです。

免疫細胞は体の中で動き回って仕事をしています。このような細胞の動きのありのままの姿を解析するために、多光子励起顕微鏡を用いて、生きた組織・生きた個体の中で、生きた細胞を観察する研究を行っています。

No microscopy, no life.私の研究人生は顕微鏡なしではあり得ません。元々カメラ好きの私は、顕微鏡を半日覗いていても飽きません。新しい可視化技術は生物学の新発見につながります。今後もニコン社の顕微鏡の進化とともに、免疫細胞の動態制御における新概念を探求していきます。

歴史

1917

ニコンの原点「日本光学工業」誕生

1917(大正6)年7月25日、当時の東京市小石川区原町120番地(現 文京区白山四丁目)に、測距儀、顕微鏡などの光学機器の国産化を目指して、日本光学工業株式会社が誕生。設立時の定款には生産品目として、顕微鏡が記載されていました。

1918

光学ガラスの製造研究に着手

光学ガラス製造の理論と実地を研究するため、硝子研究工場を建設。

1918

光学ガラスの製造研究に着手

光学ガラス製造の理論と実地を研究するため、硝子研究工場を建設。

光学ガラス製造の理論と実地を並行して研究するため、1923年3月、大井第二工場内に、熔解場1棟ほか3棟からなる硝子研究工場を建設し、500kg用の熔解炉1基、冷却窯4基、試験熔解炉2基(20kgと7kg)、その他の諸設備を整えました。

1919

「免疫に関する発見」ジュール・ボルデ

免疫システム「補体」の解明。100年以上前の研究がいまも、最先端の医療を支えている。

1919

「免疫に関する発見」ジュール・ボルデ

免疫システム「補体」の解明。100年以上前の研究がいまも、最先端の医療を支えている。

私たちの体には、細菌やウイルスから身を守る「免疫システム」があります。血液中の「補体」というタンパク質群の働きもそのひとつ。補体は体内に侵入した病原体を見つけて無害化し、抗体と呼ばれる別の免疫物質と協力して病原体を排除します。

1919年、その仕組みを解明した功績により、ジュール・ボルデにノーベル生理学・医学賞が授与されました。彼は顕微鏡を活用して、血液中の微細な成分や細菌を観察し、補体の働きを明らかにしました。この発見は現代の感染症治療や予防医学の基礎となっています。

1925

「JOICO顕微鏡」発売

自社設計による、ニコンの顕微鏡技術の原点。

1925

「JOICO顕微鏡」発売

自社設計による、ニコンの顕微鏡技術の原点。

創業時からの顕微鏡開発の成果として、自社設計による初の顕微鏡を発売。この顕微鏡は、最大765倍まで拡大可能な、当時としては画期的な顕微鏡でした。製品名の「JOICO」は、当時の社名である日本光学工業株式会社の英名表記「Japan Optical Industry Company」の頭文字です。

1930

「人間の血液型の発見」カール・ランドシュタイナー

輸血を安全な治療法へと変え、多くの命を救うことに貢献。

1930

「人間の血液型の発見」カール・ランドシュタイナー

輸血を安全な治療法へと変え、多くの命を救うことに貢献。

人間の血液には、A、B、O、ABという4つの型がありますが、この血液型の発見は、現代医療に大きな革命をもたらしました。
1900年、オーストリアの医学者ランドシュタイナーは、人間の血液に「A型」「B型」「O型」という異なる型があることを発見し、後に「AB型」の存在も確認されました。

この血液型の特定は、それまで危険とされていた輸血を安全な治療法へと変えました。この発見により、手術中や事故による失血に対して、輸血を行うことで多くの命を救えるようになったのです。この功績は医学界で高く評価され、1930年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

1945

「ペニシリンの発見と感染症治療」サー・アレクサンダー・フレミング他

命を救う可能性を広げた、20世紀最大の医学的発見。

1945

「ペニシリンの発見と感染症治療」サー・アレクサンダー・フレミング他

命を救う可能性を広げた、20世紀最大の医学的発見。

抗生物質「ペニシリン」の発見と実用化は、20世紀の医学における最も重要な進歩のひとつです。1928年、アオカビから偶然に発見されたペニシリンは、細菌による感染症を治療できる画期的な薬でした。当時、肺炎や傷の感染で命を落とすことも多かった時代に、多くの命を救う可能性を開きました。

1940年代初頭に大量生産が可能になると、第二次世界大戦での負傷兵の治療にも大きく貢献。この功績により、サー・アレクサンダー・フレミング、エルンスト・ボリス・チェーン、サー・ハワード・フローリーに、1945年にノーベル生理学・医学賞が贈られました。
現代では、手術前の感染予防や重症感染症の治療に欠かせない薬となっています。

1953

「位相差顕微鏡の発明」フリッツ・ゼルニケ

透明な細胞や微生物を見えるようにした、画期的な顕微鏡。

1953

「位相差顕微鏡の発明」フリッツ・ゼルニケ

透明な細胞や微生物を見えるようにした、画期的な顕微鏡。

フリッツ・ゼルニケは、1930年に位相差顕微鏡を発明しました。私たちの体をつくる細胞や、微生物の多くは透明で、それまでの顕微鏡では観察が困難でした。彼の発明はこの問題を解決する画期的な技術でした。その仕組みは、光の通り方の違いを明暗の違いに変換し、透明な物体を鮮明に見えるようにするというものです。1953年、この発明によって、フリッツ・ゼルニケはノーベル物理学賞を受賞しました。

位相差顕微鏡により、生きた細胞の動きをリアルタイムで観察できるようになり、医学の研究は大きく前進しました。がん細胞の特徴を調べる研究や、新薬の効果を確認する実験でも重要な役割を果たしています。
また、食品の品質検査や化粧品の開発、半導体製造、環境調査など、私たちの暮らしを支えるさまざまな分野で活用されています。

1954

実体顕微鏡「SM型」発売

当時の先進技術と機能を搭載した、国産唯一の顕微鏡。

1954

実体顕微鏡「SM型」発売

当時の先進技術と機能を搭載した、国産唯一の顕微鏡。

実体顕微鏡は左右両眼での立体視が可能な顕微鏡です。3段変倍の光学系を内蔵し、倍率を変えても焦点が変わらず、照明装置も付属。国産では当時唯一のものでした。実体顕微鏡は現在でも、解剖・培養のほか、工場での微細作業にも用いられています。

1958

携帯顕微鏡「H」発売

南極にも行った、カメラサイズの携帯型顕微鏡。

1958

携帯顕微鏡「H」発売

南極にも行った、カメラサイズの携帯型顕微鏡。

35mm版フィルムカメラと同等サイズで、800gという小型・軽量の携帯型顕微鏡。当時の高級顕微鏡なみの性能を有していました。同年、試作品が第2次南極観測隊に携行され、氷海のプランクトンの研究や観測船「宗谷」上での観察などに用いられました。

1964

多目的倒立顕微鏡「MD」発売

科学から産業まで、多様なニーズに応える顕微鏡。

1964

多目的倒立顕微鏡「MD」発売

科学から産業まで、多様なニーズに応える顕微鏡。

当社初の倒立顕微鏡。実体顕微鏡や正立顕微鏡は、観察する試料に対して上の位置に対物レンズがありますが、倒立顕微鏡の対物レンズは下に位置し、より高倍率の観察に適しています。「MD」は組み合わせによって生物用(MD型)・金属用(ME型)として使用可能で、顕微鏡ニーズの広がりに対応した画期的な製品でした。

1974

「細胞の構造と機能に関する発見」アルベール・クロード他

細胞の中の小さな器官。その働きを見極める。

1974

「細胞の構造と機能に関する発見」アルベール・クロード他

細胞の中の小さな器官。その働きを見極める。

私たちの細胞の中には、さまざまな役割を持つ小器官があります。1930年代から40年代にかけて、これらの構造を調べる研究が進められました。

そして1946年、アルベール・クロードの細胞小器官に関する先駆的な研究成果が発表され、その後も多くの研究者によって改良が重ねられました。これらの研究により、細胞の中で起きている複雑な活動を、詳しく調べることが可能になりました。その功績により、アルベール・クロード、クリスチャン・ド・デューヴ、ジョージ・E・パラードが1974年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。この発見は、現代の細胞生物学とそれに基づく研究の発展に大きく貢献しました。

1976

「CFシステム」を導入

革新的な光学系によって、顕微鏡に新しい視野を拓いた。

1976

「CFシステム」を導入

革新的な光学系によって、顕微鏡に新しい視野を拓いた。

対物レンズと接眼レンズの色収差(像のズレや色にじみなど)をそれぞれ単独に補正する、まったく新しい設計思想のCF(Chromatic Aberration Free)システムを開発。この技術は「100年ぶりの革新」と評されました。1976年、CFシステムを導入した高級顕微鏡「マイクロフォトVシリーズ」を発売しました。

1980

体外受精用顕微鏡「ダイアフォトTMD」発売

アメリカ初となった体外受精ベイビーの誕生にも貢献。

1980

体外受精用顕微鏡「ダイアフォトTMD」発売

アメリカ初となった体外受精ベイビーの誕生にも貢献。

少子化への重要な解決策となる、体外受精 (IVF) のために開発された顕微鏡。1981 年、アメリカ初となる体外受精による赤ちゃんの誕生にも大きな貢献を果たしました。当社はその後も IVF技術の進歩に重要な役割を果たし、多くのカップルに新たな希望を与えることに貢献しています。

2010年には、体外受精法を確立したロバート・G・エドワーズがノーベル生理学・医学賞を受賞しました。体外受精は、卵子と精子を体外で受精させた受精卵を母体に戻すことで妊娠を実現する医療技術で、遺伝性疾患の予防や不妊の原因解明にも貢献しています。

1986

「神経成長因子の発見」スタンリー・コーエンと リタ・レーヴィ=モンタルチーニ

神経組織や脳の発達・健康を維持する物質の発見。

1986

「神経成長因子の発見」スタンリー・コーエンと リタ・レーヴィ=モンタルチーニ

神経組織や脳の発達・健康を維持する物質の発見。

1950年代、私たちの神経細胞の成長や生存を助ける重要な物質が発見されました。この物質は「神経成長因子」と呼ばれ、傷ついた神経を修復したり、神経細胞の寿命を延ばしたりする働きがあります。この発見により、神経系がどのように発達し、維持されるかが明らかになりました。

この重要な発見で、1986年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。現在では神経疾患の治療研究に欠かせない基礎知識となっており、例えば、アルツハイマー病や脊髄損傷の治療法の研究に活用されています。"

1992

倒立顕微鏡、宇宙へ

スペースシャトルに搭載された倒立顕微鏡。

1992

倒立顕微鏡、宇宙へ

スペースシャトルに搭載された倒立顕微鏡。

画像提供:JAXA/NASA

1982年、NASDA(宇宙開発事業団・現JAXA<宇宙航空研究開発機構>)からスペースシャトル搭載用の倒立型生物顕微鏡を受注し、1985年12月に納入。その後1992年、スペースシャトル・エンデバー号にも搭載され、宇宙での材料実験に使用されました。

1993

レーザー走査型コンフォーカル顕微鏡「RCM8000」発売

厚みのある組織の構造も鮮明に捉える。

1993

レーザー走査型コンフォーカル顕微鏡「RCM8000」発売

厚みのある組織の構造も鮮明に捉える。

当社初のコンフォーカル(共焦点)顕微鏡となる、レーザー走査型コンフォーカル顕微鏡「RCM8000」を発売。一般の光学顕微鏡では難しい、厚みのある標本から特定の部分の像を切り取ることが可能であるとともに、きわめて高い鮮明度を発揮します。

1995

「初期胚発生の遺伝的制御に関する発見」エドワード・B・ルイス他

生物を形づくる、特別な遺伝子の発見。

1995

「初期胚発生の遺伝的制御に関する発見」エドワード・B・ルイス他

生物を形づくる、特別な遺伝子の発見。

1995年、生物の体が正しく形作られていく仕組みの解明に対して、エドワード・B・ルイス、クリスティアーネ・ニュスライン=フォルハルト、エリック・F・ヴィーシャウスに、ノーベル生理学・医学賞が授与されました。

研究チームは、ショウジョウバエの研究から、体の各部分の形成を制御する特別な遺伝子を発見。この遺伝子は、頭から尾までの体の各部分がどこに、どのような形で作られるかを指示する重要な役割を担っています。
さらに驚くべきことに、この遺伝子の仕組みは、ハエだけでなく、マウスや人間などの脊椎動物でもほぼ同じように働いていることが明らかになりました。この発見により、人間の胎児の発生過程や先天性の病気についての理解が大きく進展しました。

1996

無限遠補正光学系「CFI60システム」開発と「ECLIPSE E800」発売

新しい光学系から生まれた、革新的な顕微鏡。

1996

無限遠補正光学系「CFI60システム」開発と「ECLIPSE E800」発売

新しい光学系から生まれた、革新的な顕微鏡。

光学系を、無限遠補正光学系「CFI60システム」に一新。対物レンズの取付面から観察対象までの距離(同焦点距離)を従来の45mmから60mmに拡張し、光学設計の自由度を大幅に高めました。これによって世界初の0.5倍対物レンズを実現し、直径50mmという超広視野観察を可能にしました。「ECLIPSE E800」は、このシステムを搭載した革新的な顕微鏡でした。

1999

「細胞内のタンパク質が持つ、固有の輸送制御シグナルを発見」ギュンター・ブロベル

細胞内のタンパク質が正しい位置に届く謎を解明。

1999

「細胞内のタンパク質が持つ、固有の輸送制御シグナルを発見」ギュンター・ブロベル

細胞内のタンパク質が正しい位置に届く謎を解明。

私たちの細胞には、さまざまな種類のタンパク質が存在します。これらのタンパク質は、細胞の中の決められた場所で働くことで、私たちの体を正常に保っています。

1999年、タンパク質がどのようにして正しい場所に届けられるのかという謎が解明されました。タンパク質には、目的地を示す「シグナルペプチド」という小さな目印が付いていて、これを頼りに細胞内の正しい場所まで運ばれることがわかったのです。この発見により、ギュンター・ブロベルがノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

この仕組みの解明は、タンパク質の輸送が正常に働かないことで起こるさまざまな病気の理解に役立っています。

2001

倒立顕微鏡「ECLIPSE TE2000」発売

デジタル画像処理に対応し、高い拡張性を持つ新世代の顕微鏡。

2001

倒立顕微鏡「ECLIPSE TE2000」発売

デジタル画像処理に対応し、高い拡張性を持つ新世代の顕微鏡。

フラッグシップモデルとなる倒立顕微鏡システム 「ECLIPSE TE2000」を発売。このモデルは、科学分野でのイメージングで急速に成長していたデジタル画像処理アプリケーションを活用できるように設計されました。また、複数のポートを備えており、導入後も追加の機器を接続して、システムの機能を高めることができました。

2003

デジタルマイクロスコープ「COOLSCOPE」発売

顕微鏡のデジタル化、自動化への先駆け。

2003

デジタルマイクロスコープ「COOLSCOPE」発売

顕微鏡のデジタル化、自動化への先駆け。

顕微鏡用デジタルカメラの進化形として開発され、観察、撮影、ネットワーク機能を内蔵していました。観察時の光学的な顕微鏡調整を自動化し、モニター上をマウスクリックすることによる操作を可能にしました。

2004

「嗅覚受容体と嗅覚系の構造の発見」リチャード・アクセルと リンダ・B・バック

私たちが匂いを感じ取る仕組みを解明。

2004

「嗅覚受容体と嗅覚系の構造の発見」リチャード・アクセルと リンダ・B・バック

私たちが匂いを感じ取る仕組みを解明。

私たちが感じるさまざまな匂いを、脳がどのように識別しているのかという仕組みの解明により、2004年、リチャード・アクセルとリンダ・B・バックが、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

人間の鼻の奥には約1,000種類の特殊な受容体があり、それぞれが特定の匂い分子を感知します。これらの受容体がさまざまな組み合わせで働くことで、私たちは約1兆種類もの異なる匂いを区別できます。

この発見は、脳が外界からの情報をどのように処理するかを理解する上で重要なブレイクスルーとなりました。特に、神経細胞が特定の情報を選択的に認識する仕組みの解明は、他の感覚系の研究にも大きな影響を与えています。

2007

細胞培養観察装置「BioStation CT」発売

iPS細胞の研究にも貢献した、次世代型装置。

2007

細胞培養観察装置「BioStation CT」発売

iPS細胞の研究にも貢献した、次世代型装置。

細胞培養のために、温度や湿度を一定に保つための装置と顕微鏡を一体型にし、細胞へのストレスを減らして観察できるようにした画期的な装置です。世界で初めてiPS細胞の作製に成功した京都大学の山中伸弥教授の研究室をはじめ、世界中の最先端研究所に導入されました。その自動観察機能から、ラボラトリーオートメーションの先駆けとなった製品ともいえます。

2007

PFS搭載の倒立顕微鏡ECLIPSE Ti-Eを発売

独自の技術で、常にパーフェクトなフォーカスを。

2007

PFS搭載の倒立顕微鏡ECLIPSE Ti-Eを発売

独自の技術で、常にパーフェクトなフォーカスを。

PFS(パーフェクトフォーカスシステム)と高速モーター駆動機能を搭載し、生物学・医学・製薬研究における長時間のライブセルイメージングのニーズに対応した装置です。

PFSは独自の光学技術により、スライドガラスとの境界面を検出しながら任意のZ軸面を自動で追跡します。内蔵リニアエンコーダーと高速アクティブフィードバックにより、あらゆるフォーカスのズレを高い精度で素早く補正します。長時間にわたる複雑な連続画像の取得でも、常に焦点の合った信頼性の高い画像を提供します。この技術が、The Scientist誌のTOP INNOVATION of 2008で第2位を獲得しました。

2008

「緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見と開発」下村脩、 マーティン・チャーフィー、 ロジャー・Y・ツェン

クラゲから発見された、タンパク質の追跡タグ。

2008

「緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見と開発」下村脩、 マーティン・チャーフィー、 ロジャー・Y・ツェン

クラゲから発見された、タンパク質の追跡タグ。

画像提供:新江ノ島水族館

オワンクラゲから発見された「緑色蛍光タンパク質(GFP)」は、紫外線を当てると鮮やかな緑色に光る特殊なタンパク質です。この性質を利用すると、生きた細胞の中で特定のタンパク質の動きを追跡できます。まるで、細胞の中に小さな緑色の標識を付けるようなもので、この発見により、がん細胞の増殖過程や脳の神経細胞の働きなど、これまで見ることができなかった生命現象を直接観察できるようになりました。

GFPの重要性は科学界でも高く評価され、2008年にはノーベル化学賞が授与されました。

2009

反射を徹底的に防ぐ「ナノクリスタルコート」採用

源流は、半導体製造装置の技術。

2009

反射を徹底的に防ぐ「ナノクリスタルコート」採用

源流は、半導体製造装置の技術。

レンズ反射防止コーティング「ナノクリスタルコート」は、桁違いの精度と性能が求められる、半導体製造装置用に開発されました。この技術を顕微鏡対物レンズにも展開。これにより、紫外線から近赤外線までの広い領域で、光の反射を抑え、透過率の高い対物レンズの開発を可能にしました。

2010

超解像顕微鏡「N-SIM」「N-STORM」発売

細胞内の分子レベルの観察までを可能にした顕微鏡。

2010

超解像顕微鏡「N-SIM」「N-STORM」発売

細胞内の分子レベルの観察までを可能にした顕微鏡。

「超解像顕微鏡」は、従来の光学顕微鏡では観察できなかった、細胞内の極めて小さな構造を見ることを可能にした革新的な技術です。通常の光学顕微鏡では200ナノメートルより小さいものを観察できませんでしたが、この技術により20ナノメートル(髪の毛の太さの約5,000分の1)まで観察できるようになりました。

ニコンの超解像顕微鏡も、従来の光学顕微鏡の限界を大きく超える解像度で、生きた細胞の微細構造や分子レベルの観察を実現しました。さらに、高速超解像画像の取得や一分子レベルの観察も可能にした、高性能顕微鏡システムです。

この技術は、生きた細胞の中で起きている現象をリアルタイムで観察することを可能にし、特にタンパク質の動きや細胞分裂の過程の解明に大きく貢献しています。

2014年、この超解像蛍光顕微鏡法の開発によって、エリック・ベツィグ、ステファン・ヘル、ウィリアム・モイヤーの3名がノーベル化学賞を受賞しました。現在では、世界中の研究機関で「超解像顕微鏡」が使用され、新しい治療法の開発や生命現象の解明に役立てられています。

2012

「iPS細胞の発見」サー・ジョン・B・ガードン、山中伸弥

再生医療への可能性を大きく拡げた発見。

2012

「iPS細胞の発見」サー・ジョン・B・ガードン、山中伸弥

再生医療への可能性を大きく拡げた発見。

私たちの細胞は、一度特定の役割(皮膚、筋肉、神経など)を持つと、通常は別の種類の細胞には変化しません。

しかし2006年、この常識を覆す画期的な発見がありました。成熟した細胞に特定の4つの遺伝子を導入することで、どんな種類の細胞にも変化できる若い状態に戻せることが証明されたのです。この「若返った細胞」は「iPS細胞」と呼ばれ、2012年、サー・ジョン・B・ガードン、山中伸弥がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

この発見により、患者さん自身の細胞から必要な組織を作り出せる可能性が開かれました。たとえば、目の難病の治療、網膜再生医療にも応用が期待されています。

2013

「細胞内のタンパク質輸送システムの解明」ジェームズ・E・ロスマン他

極小の世界の緻密な輸送メカニズムを解明。

2013

「細胞内のタンパク質輸送システムの解明」ジェームズ・E・ロスマン他

極小の世界の緻密な輸送メカニズムを解明。

細胞内には、物質を運ぶための精巧な仕組みがあります。それは「小胞輸送」と呼ばれ、タンパク質などの物質を小さな袋(小器官)に包んで必要な場所へ届けます。

この仕組みの解明に大きく貢献したのが、ジェームズ・E・ロスマン、ランディ・W・シェクマン、トーマス・C・スードフの3名の科学者です。彼らは、細胞内の輸送に必要な遺伝子群を発見し、必要なタンパク質の仕組みと、神経細胞が正確なタイミングで神経伝達物質を放出する仕組みを解明しました。この研究が評価され、2013年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

2014

「脳内の位置決めシステムを構成する細胞の発見」ジョン・オキーフ、メイブリット・モーザー、 エドヴァルド・I・モーザー

私たちは脳内にGPSを持っている。

2014

「脳内の位置決めシステムを構成する細胞の発見」ジョン・オキーフ、メイブリット・モーザー、 エドヴァルド・I・モーザー

私たちは脳内にGPSを持っている。

私たちはなぜ道を覚られるのか。この問いの解答が、脳内の「位置決めシステム」の発見です。

1971年、ジョン・オキーフは脳の海馬に「場所特定細胞」を発見しました。この細胞は、私たちが現在地を意識するときに反応します。そして2005年、メイ・ブリット・モーザーとエドヴァルド・モーザーは、さらに詳しい位置情報を記録する「グリッド細胞」を発見。これら2種類の細胞が協力してGPSのような働きをしていることが分かりました。

この発見は2014年にノーベル生理学・医学賞として認められ、現在では認知症の研究にも応用されています。

2016

「オートファジーのメカニズムの発見」大隅良典

健康を保つ、細胞内のリサイクルシステム。

2016

「オートファジーのメカニズムの発見」大隅良典

健康を保つ、細胞内のリサイクルシステム。

私たちの細胞には、不要な物質を分解して再利用する「オートファジー」という仕組みがあります。これは1960年代に発見されていましたが、その詳しいメカニズムは長年の謎でした。

大隈良典は、酵母を使った実験でオートファジーの仕組みを遺伝子レベルで解明し、2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

その後、研究の進展によりオートファジーの異常がさまざまな病気と関係していることが分かってきました。たとえば、パーキンソン病では細胞内の異常なタンパク質の蓄積が見られ、オートファジーの機能低下が原因のひとつと考えられています。また、オートファジーを標的とした新しい治療薬の開発が進められており、がんや神経疾患などの治療への応用が期待されています。

2018

「負の免疫制御の阻害による癌治療法の発見」ジェームズ・P・アリソンと 本庶佑

免疫細胞のブレーキを解除する研究。

2018

「負の免疫制御の阻害による癌治療法の発見」ジェームズ・P・アリソンと 本庶佑

免疫細胞のブレーキを解除する研究。

2018年、本庶佑とジェームズ・P・アリソンは、「がん治療法の革新的な発見」によって、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

本庶佑は、私たちの体の免疫システムに関わる「PD-1」という分子を1992年に発見。通常、免疫細胞はがん細胞を攻撃して私たちを守りますが、「PD-1」はその働きにブレーキをかけています。このブレーキを解除することで、免疫細胞が再びがん細胞と闘えるようになることを突き止めました。

この発見を基に開発された治療薬は、2014年に世界で初めて承認されました。 現在では、悪性黒色腫や肺がんなど、さまざまながんの治療に使われています。

2019

創薬研究の支援サービスを開始

バイオテクノロジーの先進エリアでユーザーを支える。

2019

創薬研究の支援サービスを開始

バイオテクノロジーの先進エリアでユーザーを支える。

ユーザーごとに、創薬の基礎研究や候補薬のスクリーニング、細胞の培養条件の最適化などを幅広くサポートするため、2019年、製薬企業やバイオベンチャーが集まるバイオクラスターであるボストンに、Nikon BioImaging Labを開設しました。2021年には、日本の湘南アイパーク、続いてオランダ ライデン・バイオサイエンスパーク(LBSP)内にもNikon BioImaging Labを開設し、ニコンの持つライブセルイメージング技術や画像解析技術を用い、効率的な医薬品創出に貢献しています。

2021

共焦点レーザー顕微鏡システム「AX」「AX R」発売

広範囲・高解像度・超高速イメージングで、生命現象の解明に貢献。

2021

共焦点レーザー顕微鏡システム「AX」「AX R」発売

広範囲・高解像度・超高速イメージングで、生命現象の解明に貢献。

大型標本の微細な構造を生きたまま観察し、瞬時の反応や変化を研究・解析するというニーズに応える製品として「AX」「AX R」は開発されました。高いコントラストで断面像を取得でき、複数の画像を合成することで標本を三次元で観察できます。高性能ディテクターとスキャナーの採用により広範囲・高解像度・超高速イメージングを実現。研究者がより効率的、かつ詳細に生命現象を理解することに貢献します。

2023

医療用デジタルイメージングマイクロスコープ「ECLIPSE Ui」発売

ユニークなデザインと機能で、病理医をサポート。

2023

医療用デジタルイメージングマイクロスコープ「ECLIPSE Ui」発売

ユニークなデザインと機能で、病理医をサポート。

AIを用いて、画像取得から解析にいたるまでのプロセスを大幅に自動化。顕微鏡操作を効率化し、分析や考察といったより創造的な活動にユーザーが集中できるようサポートします。ハードウエアの拡張性も保持し、創薬における研究開発の効率化に貢献します。

※ 販売名:デジタルイメージングマイクロスコープ Ui
 医療機器届出番号:13B2X10606000001

2023

デジタル倒立顕微鏡 スマートイメージングシステム 「ECLIPSE Ji」発売

AIによる自動化で、創薬のワークフローを効率化。

2023

デジタル倒立顕微鏡 スマートイメージングシステム 「ECLIPSE Ji」発売

AIによる自動化で、創薬のワークフローを効率化。

AIを用いて、画像取得から解析にいたるまでのプロセスを大幅に自動化。顕微鏡操作を効率化し、分析や考察といったより創造的な活動にユーザーが集中できるようサポートします。ハードウエアの拡張性も保持し、創薬における研究開発の効率化に貢献します。

2024

ICSI※1 / IMSI※2用電動倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-I」発売

設定の自動化で、不妊治療の効率向上に貢献。

2024

ICSI※1 / IMSI※2用電動倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-I」発売

設定の自動化で、不妊治療の効率向上に貢献。

不妊治療の増加とともに、治療のより高い精度と効率が求められる中、顕微鏡を用いた顕微授精に特化した製品を開発。設定の自動化により、顕微鏡操作の工程数を大幅に削減し、顕微授精の効率向上に貢献。より多くのカップルに新たな希望をもたらすことを目指します。

※1 卵細胞質内精子注入法(Intracytoplasmic Sperm Injection):顕微鏡で確認しながら卵子の中に精子を直接注入する方法。

※2 卵細胞質内形態選別精子注入法(Intracytoplasmic Morphologically selected Sperm Injection):高倍率の顕微鏡を使用し、精子の形態や構造をより詳細に評価・観察しながら、ICSIに用いる精子を選定する方法。

  • ここで紹介している製品は日本での発売日を基準としていますが、これらの製品はグローバルに販売されています。製品の入手可否、発売時期および主な用途は、地域や国によって異なる場合がありますのでご注意ください。
  • 掲載している科学的な発見は、実際の発見年ではなくノーベル賞受賞年を基準としています。実際の発見年と異なる場合がありますので、ご了承ください。