アプリケーションノート

HUMIMIC Chipを使用した3D生体組織の共焦点イメージング

2022年6月

本アプリケーションノートでは、人体を模倣した構造を持つTissUseのHUMIMIC Chipを用いた腸モデル、骨髄モデルおよび血管組織モデルを紹介する。組織特異的なマーカーを蛍光標識し、共焦点顕微鏡で観察することにより、チップ内で作成された組織が生体組織と同じ構造を形成していることを確認した。これらのモデルを活用することにより、実験動物モデル(ヒトとは生理学的に異なる)と、標準的なin vitroアッセイ(ヒト由来細胞であるにも関わらずヒトの生理学的状態を再現できない)との間のギャップを埋めることができる。

Organ-on-a-chipを用いた、CAR-T細胞動態の共焦点イメージング

2022年2月

CAR-T(Chimeric Antigen receptor T)細胞療法による免疫効果の評価は、主に動物実験モデルにより行われているが、コストや時間がかかる事が課題である。本アプリケーションノートでは、 AIM Biotech社製の3D細胞培養チップを用いてシンプルな3D免疫細胞傷害性アッセイモデルを構築し、in vitroイメージングによりT細胞の免疫効果を測定した例を紹介する。3Dアッセイモデルは、がん微小環境の条件やT細胞の調製などin vitroでのさまざまな条件検討を容易にし、目的に応じて多様にカスタマイズできることが特徴である。このアッセイにより、in vitroにおける細胞のより時空間的な動態(spatiotemporal dynamics)を再現し、2Dモデルよりも生理学的な条件(physiological condition)で、免疫細胞を介した殺傷性の観察と計測を行うことが可能である。

血管新生の3Dモデルを用いた血管形成誘導の経時的イメージング解析

2021年12月

がん、動脈硬化、慢性炎症、虚血などのさまざまな疾患や病態の開始および進行には、血管の恒常性維持機能の低下が関与することが知られている。このような背景から、血管新生などによる新規血管構造の形成あるいは微小血管の損傷に関する詳細なメカニズムを把握する事は非常に重要である。本アプリケーションノートでは、Mimetas社の3D組織培養プラットフォームOrganoPlate®を利用した3D血管新生構造(in vitro灌流血管新生モデル)を共焦点レーザー顕微鏡システムAX/AX Rを用いて詳細に観察、解析した例を紹介する。

深部まで明るく鮮明に構造をとらえる ~対物レンズの選び方~

2021年6月

屈折率のミスマッチに起因する「球面収差」は、画像の解像度や輝度の低下の原因となり、イメージングにおける課題の一つである。本アプリケーションノートでは、小腸上皮細胞三次元培養系であるエンテロイド(Enteroid)の三次元イメージングを例に、「球面収差」の影響を明示し、適切な浸液と対物レンズの選び方について紹介する。

Organ-on-a-Chipを使用し、 in vitro でヒト組織の生理学的複雑さを把握

2021年4月

3D細胞培養により、 2D細胞培養よりも生体内により近い環境を作り出し、in vitro で細胞の生理学的組成や空間配置を再現することが可能である。本アプリケーションノートでは、ニコンの共焦点レーザー顕微鏡システムA1R HD25を使用して、 3D組織培養プラットフォームであるOrganoPlate®(製造元:MIMETAS)によりモデルの開発を行った例を紹介する。

腸管オルガノイドの3次元イメージング

2021年6月

共焦点イメージングにおいて、標本深部まで高解像度で観察するためには、対物レンズの選択が非常に重要である。本アプリケーションノートでは、国立研究開発法人国立成育医療研究センター 研究所再生医療センター 生殖医療研究部の阿久津英憲先生と川崎友之先生にご協力いただき、2種類の異なる対物レンズを用いて小腸オルガノイドの3次元イメージングを行い、画質の違いを比較した例を紹介する。

高速ポイントスキャン共焦点顕微鏡を利用した、オンチップ生体培養の定量三次元解析

2021年1月

Organs-on-chips(臓器チップ)は、標準的な二次元組織培養システムよりも、生体組織の三次元構造および機能の複雑さを忠実に再現できます。しかし、この高度な細胞培養プラットフォームの画像取得をベースとするアプリケーションにおいては、技術的な課題があります。本アプリケーションノートでは、ニコンのA1R HD25ポイントスキャン共焦点顕微鏡およびCFI S Plan Fluor LWD 20XC対物レンズ、NIS-Elementsソフトウェアを使用して、Emulate社のOrgan-Chipプラットフォーム上で生細胞を高速かつ深部まで定量的にイメージングした例を紹介します。

小腸上皮細胞三次元培養系を用いた、パネト細胞による自然免疫応答のライブイメージング

2021年1月

小腸上皮細胞であるパネト細胞(Paneth cell)は、自然免疫のエフェクターである抗菌ペプチドαディフェンシン(α-defensin)を豊富に含む顆粒を、コリン作動性刺激や細菌刺激などに応答して分泌することで、病原体を排除し、常在菌とは共生して腸内細菌叢を制御している。本研究では、小腸上皮細胞三次元培養系であるエンテロイド(enteroid)を用いて、パネト細胞の顆粒分泌応答をex vivo ではじめて可視化・定量化し、αディフェンシン分泌メカニズムを明らかにした。