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分子レベルの理解を可能にする、従来の光学顕微鏡の約10倍の分解能

ローカライゼーション法の一つであるSTochastic Optical Reconstruction Microscopy (STORM)法を採用したN-STORM。複数の蛍光画像から高精度に検出した蛍光色素1分子ごとの位置情報を重ね合わせ、一枚の高分解能蛍光画像を再構築します。ニコンの研究用倒立顕微鏡 ECLIPSE Ti2-Eとの組み合わせで、従来の顕微鏡の約10倍の超解像度(2Dの場合は約20nm)を実現。1分子レベルの検出を可能としたことで、「構造レベルの理解」から「分子レベルの理解」に踏み込む情報が得られます。

ダウンロード 超解像顕微鏡 (11.52MB)


特長・機能

従来の光学顕微鏡の約10倍、約50 nmの3次元超解像力

Z軸方向にも従来の光学顕微鏡の約10倍の超解像力を実現。2次元の高分解能蛍光画像に加え、同一標本の3次元高分解能蛍光画像がナノスケールで取得できます。

3Dスタック機能により、異なるフォーカス位置で複数の3D-STORM画像を取得し、それらを重ねて表示することが可能なため、より厚みのある範囲 が観察できます。

Alexa Fluor® 647で標識したBSC-1細胞のチューブリン


従来の光学顕微鏡の約10倍、約20nmの超高分解能

N-STORMは、1,000回以上もの励起を繰り返して撮影した蛍光画像から、蛍光色素1分子ごとの位置情報を高精度に検出し重ね合わせて、一枚の超高分解能蛍光画像を再構築します。空間分解能が、従来の光学顕微鏡の約10倍に飛躍的に向上しました。

NUP153 をAlexa Fluor® 647 で、TPRをATTO 488 で標識したヒト子宮頸がん細胞(HeLa S3)

撮影ご協力: Dr. Michael W. Davidson, National High Magnetic Field Laboratory, Florida State University


画像取得の高速化により動態観察を実現

sCMOSカメラに最適化した光学系・照明系の新規開発により、撮像速度を約10倍に向上させました。これにより、これまで「分単位」だった一枚当たりの撮像時間を「秒単位」*にまで短縮。観察対象の動態を、1分子レベルの解像度で撮像できるようになりました。

1分間隔のタイムラプスで30分間撮影(350フレーム/秒)


多色イメージングに対応

順次刺激イメージング用のアクチベーター・リポーター・ペアと、連続刺激イメージング用のアクチベーターフリー・ラベルを使用して、マルチカラー超解像イメージングを行うことができます。複数の構造体の位置関係、あるいは、異なる物質の局在が観察可能になります。

チューブリンを抗αチューブリン抗体(Alexa Fluor ® 647:マゼンタ)で、カベオリンをAlexa Fluor ® 555(赤)で、F-アクチンをAlexa Fluor ® 488-phalloidin(緑)で標識したCV-1細胞の3色蛍光STORM画像


超解像画質をさらに向上

励起光学系を新たに開発し、撮像フレーム数を増やすことで、分子の位置密度をさらに高めることに成功。より鮮明に微細分子構造が画像取得できます。

Left: Improved image quality, Right: Before improvement

Scale bar: 5µm

Super-resolution image quality is significantly improved in the same imaging time.

Sample: Tubulin of BSC-1 cell labeled with Alexa Fluor® 647, acquisition time: 20 seconds


広視野での超解像イメージング

結像系の中間変倍レンズを一新し最適化しました。撮影モード「Wide-view」では、撮影エリアがこれまでの4倍(80µm×80µm)に拡大。広範囲な視野における超解像観察が可能となりました。


共焦点観察と超解像観察を簡単切替え

一台の顕微鏡にN-STORMと共焦点顕微鏡AX/AX Rを搭載し、2つのシステムを簡単に切り替えて使用することが可能です。広い視野を共焦点顕微鏡で観察し、より詳細に解析したい領域は、超解像観察に切り替えてN-STORM画像を取得できます。


研究用途に合わせたハードウェアを展開

全電動や簡易電動のTIRF照明、最新のsCMOSカメラや、従来から多くつかわれていたEMCCDカメラをお選び頂けます。

ニコン独自のモジュール設計により、1分子イメージングなど、さまざまな要求に合わせた、柔軟かつ安定したプラットフォームを実現します。


N-STORMに最適化した対物レンズ

シリコーン浸対物レンズ

屈折率が生細胞に近いシリコーンオイル(ne≒1.40)を浸液に使用することで、標本である細胞(ne≒1.38)との屈折率の差による球面収差を低減し、表面からの深部まで高解像度の多色3次元観察が可能です。高い粘性により、長時間のタイムラプス観察にも最適です。幅広い波長領域における優れた色収差補正と高い透過率を実現しています。

CFI SR HP プランアポクロマート Lambda S 100XC Sil

シリコーン浸対物レンズ

油浸対物レンズ

N-STORM画像(深さ約6.5 µm) 左:CFI SR HP プランアポクロマート Lambda S 100XC Sil、右:CFI SR HP アポクロマート TIRF 100XC Oil


油浸対物レンズ

N-STORM画像取得に必要な高いNAを誇る対物レンズです。HP対物レンズは、色素を高速に明滅させるために必要な高出力レーザーに対応。軸上色収差を低減したことで、3次元の多色超解像観察がより高い精度で行えます。ACタイプの対物レンズは、倒立顕微鏡Ti2-Eの電動補正環を使用することで、補正環の高精度な調節が簡単に行えます。

CFI SR HP アポクロマート TIRF 100XC Oil

CFI HP プランアポクロマート VC 100X Oil

CFI SR HP アポクロマート TIRF 100XAC Oil