N-STORM(Stochastic Optical Reconstruction Microscopy)法の原理

蛍光色素1分子ごとの位置情報を重ね合わせて、高分解能画像を再構築

一度にすべての蛍光分子を励起するのではなく、専用の試薬を用いて非常に弱い光で、蛍光分子をばらばらに、重複しないように活性化します。これに強い励起光を照射して蛍光画像を撮像し、分子ごとの2D位置情報をナノスケールの高精度で取得します。また、独自の3D-STORM光学系によりZ軸方向の位置情報も高精度に取得します。取得した点の3D位置情報を重ね合わせて画像演算によって一枚の超解像蛍光画像を構築します。


Z軸の位置情報を高精度に取得

1方向のみに光が集光するシリンドリカルレンズ( 半円筒状のレンズ)を用いて取得した画像の、ピント面からずれた点光源のボケ像の方向と大きさから、分子の光軸(Z軸)方向の位置を約50nmの精度で抽出。平面の位置情報と組み合わせることで、3D蛍光画像を再構築します。


正確な位置情報検出を可能にする光変換試薬

さまざまなアクチベーター·リポーター·ペアとアクチベーターフリー·ラベルをご用意。アクチベーター·リポーター·ペアは、アクチベーター色素とリポーター色素で構成され、アクチベーター色素がリポーター色素の活性化状態を制御します。また、同一のリポーター色素を異なるチャンネルに使用することにより、チャンネルごとの高い位置精度を実現します。

アクチベーターフリー·ラベルは、画像化用色素のみで構成され、容易なラべリングや、市販の蛍光標識抗体を使用した間接蛍光免疫染色などが可能です。