共焦点イメージングの新たな可能性を追求
超解像画像を共焦点顕微鏡で実現する画期的なNSPARCディテクターを新たに開発。2次元に配列された計25個のアレイディテクターを搭載し、これまでのディテクターよりも詳細な空間情報を取得することにより、1スキャンポイントあたりの解像度と感度を飛躍的に向上。
低ノイズと高い空間検出を実現し、イメージングのさらなる可能性を追求します。
特長・機能
超解像3D共焦点イメージング
AX/AX R共焦点スキャナーに装着可能な、Nikon Spatial Array Confocal (NSPARC)ディテクターを新開発。25個のアレイディテクターにより、従来の光学分解能の限界(230nm*)を超えて、従来の共焦点画像よりも優れたXY方向解像度を高S/N比で実現します。
*アッベ回折限界 (0.61λ/NA)で定義される水平方向の光学分解能
この超解像性能はZ方向にも有効なため、脳神経やオルガノイド、臓器チップなどの厚みのあるサンプルの3D観察においても、高解像度の共焦点画像を取得できます。NSPARCディテクターをAX/AX Rと組み合わせることで、サンプルの広範囲の取得から、超解像による詳細な微細構造の取得・測定・解析までが可能になります。
かつてない低ノイズ・高感度イメージング
極めて低いノイズと高い感度を実現し、高速レゾナントスキャナーを使ったイメージングにおいても明るい画像が取得できます。
また、アレイディテクターによりスキャンニングポイントにおける空間情報を取得できるため、解像度と明るさをさらに向上できます。
NSPARCディテクターとGaAsPディテクターによる暗画像(励起光を照射していない状態で取得した画像)のノイズレベルを比較すると、NSPARCで取得した画像のほうが、GaAsPやPMTディテクターに比べて、輝度バラツキが小さいことが分かります。
NSPARCの空間アレイディテクター技術
NSPARCは、シングルピクセルフォトンカウンター(SPPC)と呼ばれるフォトンカウンティング素子が2次元に計25個配列された、特徴的な検出器であるSPPCアレイディテクターを搭載しています。従来のPMTディテクターはスキャンして得られた各ポイントの輝度値の情報のみを取得するのに対し、SPPCアレイディテクターを用いることで、各ポイントにおいて2次元に広がる空間的な情報を取得できます。
内部のズーム光学系を制御することで、さまざまな対物レンズに対して、アレイディテクターに投影する蛍光のスポットサイズを1エアリーユニットに調整できます。これにより、2次元に配列されたそれぞれのSPPCが、0.2エアリーユニット相当の情報を取得することが可能となり、1エアリーユニットの情報で取得した従来の共焦点画像よりも、空間分解能の高い画像を再構築できます。
NSPARC
蛍光がSPPCアレイディテクタ―に、1エアリーユニット径のスポットサイズで内接するように投影されます。
AX/AX R
蛍光はサイズが可変のピンホール(通常は1エアリーユニット)を通ります。
低ノイズ・高感度検出
ピクセル滞留時間が非常に短く生細胞に優しいAX Rレゾナントスキャナーに、高感度なNSPARCディテクターを組み合わせることにより、長時間のライブセルアッセイにおいて、光毒性を抑えつつ、分解能と明るさが両立した画像を取得できます。