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ECLIPSE Ti2 シリーズ

研究用倒立顕微鏡

ライブセル研究の最前線で研究者を支えるイメージングプラットフォーム。

ニコンの倒立顕微鏡の最高峰がさらに進化。25mm というかつてない広視野により、大型のCMOSカメラセンサーの能力を最大限に利用した大量データの高速取得ニーズに応えます。 

Ti2-Eは、多彩なアクセサリーとの高速連携が可能なため、複雑な多次元画像取得においても信頼性の高いデータを効率よく取得できます。 

また、高分解能の長時間観察でもフォーカスを確実に維持する抜群の安定性を実現。 
高い精度を要求される超解像イメージングのベース機としても最適です。 

Ti2-E/Aは、センサーにより現在の顕微鏡状態を自動的に判断して、正しい操作手順をナビゲーションするアシストガイド機能を搭載。 

様々な熟練度の研究者をヒューマンエラーから解放し、研究の効率を向上します。 

ライブセルイメージングの統合プラットフォームとしての高い機能性・安定性と、画像取得・解析・顕微鏡制御のすべてを行うソフトウェアNIS-Elementsの優れた操作性・柔軟性により、ECLIPSE Ti2は最先端の生命科学研究を強力にサポートします。

ダウンロード 研究用倒立顕微鏡 ECLIPSE Ti2 (8.74MB)


Ti2-Eは、多彩なアクセサリーとの高速連携が可能なため、複雑な多次元画像取得においても信頼性の高いデータを効率よく取得できます。 また、高分解能の長時間観察でもフォーカスを確実に維持する抜群の安定性を実現。

Ti2-E/Aは、センサーにより現在の顕微鏡状態を自動的に判断して、正しい操作手順をナビゲーションするアシストガイド機能を搭載。

研究用倒立顕微鏡のスタンダードマニュアルモデル

特長・機能

かつてない広視野観察への挑戦

大型化を続けるカメラセンサーやPCの処理能力の向上を背景にした大量データの高速取得が、ライブセルイメージングの新たな可能性を拓きます。Ti2は、視野数25の比類ない広視野により、顕微鏡画像サイズの常識を一新しました。日常的な観察からハイコンテントスクリーニングまで、圧倒的な広視野で新時代のライフサイエンス研究の要求に応えます。


明るく均一な広域照明

高輝度LEDにより、光量が不足しがちな高倍DIC観察でも、広い視野を明るく観察可能です。内蔵のフライアイレンズにより、視野の端まで均一な照度が得られるため、継ぎ目のない定量的なタイリング画像を高速で取得可能です。

高輝度 LED 照明装置

内蔵のフライアイレンズ


蛍光照明光学系は広域化と小型化を両立。クォーツ製のフライアイレンズが紫外域を含む広い波長範囲での高い透過率を実現します。大口径のハードコート蛍光フィルターキューブは、広視野・高S/Nの蛍光イメージングを長期間にわたって保証します。

広視野蛍光照明装置

大口径蛍光フィルターキューブ


大口径の観察光学系

内部観察光路を再設計し、ボディサイズはそのままに大口径化を実現。カメラポートにおける視野数25を達成しました。従来比約2倍のエリアを観察できるため、sCMOSカメラなど大型センサーの性能を最大限に引き出せます。

チューブレンズを大口径化

視野数25の大口径カメラポート


広視野に最適な対物レンズ

像の平坦性に優れた対物レンズシリーズにより、視野の周辺まで高品質な画像が取得できます。OFN25対物レンズのポテンシャルを最大限に活かすことで、より多くの画像情報を高速で効率的に取得することができます。


広視野をワンショット撮影

ニコンFX フォーマットのF マウントカメラDigital Sight 50M / Digital Sight 10は、プロ用デジタル一眼レフカメラ向けのCMOS センサーを研究用途に最適化。高速高感度のライブセルイメージングを実現し、Ti2の広視野性能を最大限に利用できます。

一眼レフカメラで培った技術を顕微鏡に最適化


フラッグシップを支える光学技術

顕微鏡の性能の神髄とも言えるオプティクス。ニコンは独自の無限遠補正光学系CFI60に結実した技術でバイオイメージングの進化を支えます。高いNA・透過率・平坦性や、妥協なき収差補正、長作動距離を誇る対物レンズと、その性能を最大限に引き出す顕微鏡設計。そのいずれもが、あらゆる観察手法での最高の画像を約束します。

アポダイズド位相差

ワンランク上の位相差観察が可能です。対物レンズ内のアポダイズド位相リングによる選択的な透過率変調により、一般的な位相差像のアーチファクトに隠された、数μm以下の微細構造のコントラストを劇的に向上します。

アポダイズド位相板を内蔵した APD 対物レンズ

アポダイズド位相差画像: BSC-1細胞。CFI S Plan Fluor ELWD ADM 40XC対物レンズ使用。


外部位相差 Ti2-E

高NA油浸対物レンズや深部観察に適した水浸対物レンズを使用して、高分解能の位相差観察が可能です。光を吸収する位相リングを内蔵した位相差対物レンズを使用しないため、TIRFなどの微弱蛍光観察や光ピンセットとの併用が可能です。

  1. 位相リングを内蔵した鏡筒ベース
  2. 位相リング
  3. 位相リングを持たない対物レンズ

落射蛍光 / 外部位相差画像: GFP-αチューブリンで標識したPTK1細胞。CFI Apochromat TIRF 100XC Oil対物 レンズ使用。
画像ご提供:Alexey Khodjakov, Ph.D. Research Scientist VI/Professor, Wadsworth Center


DIC(微分干渉)

培養細胞などの薄いサンプルから立体的なサンプルまで、高い解像度とコントラストが追求できます。対物レンズごとにプリズムを装着できるため、低倍から高倍まで多様なサンプルを最適な条件で観察可能です。

対物レンズに応じて DIC プリズムをレボルバーに装着

DIC/落射蛍光画像: DAPI, Alexa Fluor 488, Rhodamine-Phalloidinで染色した神経細胞。25mmの広視 野画像をDS-Qi2カメラで取得。CFI Plan Apochromat Lambda 60XC対物レンズ使用。 画像ご提供:Josh Rappoport, Nikon Imaging Center, Northwestern Univ. サンプルご提供:S. Kemal, B. Wang, and R. Vassar, Northwestern Univ.


NAMC(ニコンアドバンスドモジュレーションコントラスト)

卵母細胞などの無色透明サンプルを、プラスチックディッシュでも高コントラストに観察可能。陰影をつけた疑似3D画像を取得できます。モジュレーターは回転可能なため、陰影の方向を任意に調整できます。

モジュレーターを内蔵した NAMC 対物レンズ

NAMC画像:マウスの胚。CFI S Plan Fluor ELWD NAMC 20XC対物レンズ使用。


自動補正 Ti2-E

対物レンズの能力を極限まで引き出すには、サンプル内の不均一な屈折率分布やカバーガラス厚、温度変化に合わせた補正が必要です。ハーモニックドライブ駆動の自動補正環対物レンズと自動補正アルゴリズムにより、最適な補正環調整がワンクリックで達成できます。

ハーモニックドライブにより補正環を精密制御

超解像画像(DNA PAINT): α - チューブリン(緑)と TOMM-20(紫)を超解像で可視化した CV-1細胞。 CFI Apochromat TIRF 100XC Oil対物レンズ使用。


落射蛍光

ニコン独自のナノクリスタルコートを施したλシリーズ対物レンズは、広い波長域での高透過率と収差補正を求められる多色蛍光観察に最適です。さらに波長特性を向上した新蛍光フィルターキューブと、ノイズターミネーターをはじめとする背景光対策により、微弱光による1分子観察や発光観察においても高いS/Nを実現できます。

発光画像: 発光性 Ca2+ プローブ Nano-lantern を発現した HeLa 細胞。励起光を当てずに細胞内 カルシウムを観察。CFI Plan Fluor 40XC Oil対物レンズ使用。 サンプルご提供:大阪大学 産業科学研究所 永井健治教授


Volume Contrast

  • Ti2-E

Zスタックした数枚の明視野画像から位相分布画像を構築し、非染色での細胞数カウントや面積解析が簡単に行えます。

また、明視野観察であるため、光毒性を大きく抑えたタイムラプスイメージングが可能です。※Ti2-E のみ

明視野画像

Volume Contrast

HeLa 細胞 CFI S Plan Fluor ELWD 20XC対物レンズ使用。


Volume Contrast(VC) の特徴

細胞数カウントや面積解析を容易かつ正確に行えます。

位相差像を用いて細胞数カウントする場合

赤枠部分の細胞がひと固まりとして検出され、非染色では正確な細胞数の計測が難しい。

VC 像 で細胞カウントする場合

赤枠部分の細胞を3 つの細胞として検出でき、非染色にて正確に細胞カウント が可能となる。


メニスカス効果の影響を軽減

位相差ではウェルの端を観察した場合、 メニスカス効果の影響で細胞の輪郭がはっきりとしていないが、VCでは細胞の輪郭まではっきり観察できる。

位相差で96 ウェルの端を観察

VCで96 ウェルの端を観察


揺るぎないフォーカスの安定性

きわめて小さな温度変化や振動でさえも、顕微鏡観察においてはフォーカス位置に大きな影響を与えることがあります。Ti2は静的・動的なアプローチによりあらゆるシーンでのフォーカスずれを解決。長時間タイムラプス観察やマルチポイント観察においても、ナノスケールの世界を忠実に捉えます。


堅牢性・安定性を向上 Ti2-E

フォーカスの安定性を向上するには、対物レンズ近傍の物理的変化を最小限に抑えることが重要です。Ti2はZ駆動機構を小型化し、レボルバーの近くに配置することで、耐振動性能を大幅に向上しました。対物レンズの位置が高くなるステージアップ時であっても、厳しい精度が要求される1分子イメージングや超解像観察に優れたパフォーマンスを発揮します。

① レボルバーに近接した剛性の高い Z 駆動機構


Z駆動モーターを省力化し、PFS(パーフェクトフォーカスシステム)の検出部を対物レンズから機械的に分離することにより、レボルバー部への荷重と対物レンズへの熱伝達を大幅に低減。3次元方向への微小ドリフトを抑制しました。

① PFS レボルバー部
② PS 検出部


パーフェクトフォーカス Ti2-E

試薬投入や長時間観察、Zスタックやマルチポイント撮影など、あらゆる要因によるフォーカスずれの解消には、PFS(パーフェクトフォーカスシステム)が不可欠です。PFSはニコン独自の光学式オフセット技術により、参照面(ガラス界面)を検出しながら任意のZ軸面を追跡。内蔵リニアエンコーダーと高速アクティブフィードバックにより、あらゆるフォーカスずれを高い精度でリアルタイムに補正します。長時間の複雑なシーケンスの画像取得においても、常に焦点の合った信頼性の高い画像を取得することができます。


ウォーターイマージョンディスペンサー Ti2-E

ウォーターイマージョンディスペンサーをPFSと併用することにより、水浸対物レンズを用いた長時間のイメージングが可能となります。ウォーターイマージョンディスペンサーは、水浸対物レンズの先端の浸液の量を自動的に調整するため、タイムラプス中の浸液の蒸発や過剰給水の心配もありません。全ての水浸対物レンズを使用して、収差のない高解像・高コントラストなタイムラプス画像を、長時間にわたり安定して取得できます。

デュアルマイクロノズルにより、水浸対物レンズ先端の浸液量を自動的に調整します。


対応対物レンズ
  • CFI アポクロマートLWD Lambda S 20XC WI
  • CFI アポクロマートLambda S 40XC WI
  • CFI アポクロマートLWD Lambda S 40XC WI
  • CFI プランアポクロマートVC 60XC WI
  • CFI プランアポクロマートIR 60XC WI
  • CFI SR プランアポクロマートIR 60XC WI
  • CFI SR プランアポクロマートIR 60XAC WI

顕微鏡がミスのない操作をサポート

もう顕微鏡の調整手順に迷うことはありません。アシストガイド機能を使用すれば、顕微鏡がセンサーからの情報をもとに、次に何を操作するべきかをナビゲーションします。ヒューマンエラーを省き、研究者が貴重な時間を研究そのものに活用できるようサポートします。

内蔵センサーで各部の状態を検出

顕微鏡の状態を常に把握 Ti2-E/A

Ti2の内部に設置した複数のセンサーが、顕微鏡各部の状態を常時確認。PCで画像取得する際には顕微鏡の状態が画像のメタデータに記録されます。実験の再現や取得データの検証をおこなう際も、取得条件や設定条件を簡単に確認できます。また、視野および瞳共役面を撮像する内蔵カメラにより、位相リングの調整やDICの暗十字を確認できます。TIRFなどのレーザー照明の調整を安全に確認することも可能です。


顕微鏡の状態は顕微鏡前面のインジケーターやタブレット端末に表示できるため、操作ミスを大幅に低減できます。

状態インジケーター


操作手順を丁寧にガイド Ti2-E/A

アシストガイド機能は、センサーと内蔵カメラの情報を活用して、観察方法ごとの操作手順をタブレット端末やPCに表示します。観察手法のセットアップからトラブルの解決まで、インタラクティブに段階を追って手順をナビゲーションします。

① 視野絞り像を視野の中心に移動してください
② ベルトランレンズを光路から外してください
③ 観察ポートを選択してください


設定ミスを即座にチェック Ti2-E/A

研究用顕微鏡のトラブルシューティングにおいて、問題の特定に手間取ることは作業効率を著しく低下する可能性があります。また顕微鏡を複数ユーザーで共同使用する場合には、想定外の設定変更が行われている場合があります。チェックモードは、目的の観察方法に対して顕微鏡各部の状態が正しいかどうかを即座に診断します。ユーザー独自のチェックポイントの作成も可能です。

不適切な状態のデバイスを表示


直感的なインターフェースデザイン

顕微鏡の操作を意識することなく観察だけに集中したい。Ti2は研究者のニーズに応え、直感的な操作を実現するためにスイッチやボタンの配置から形状まで一新。観察方法ごとに操作系を分類したゾーニングデザインを採用しました。たとえ暗室中でもボタンの位置に迷うことはありません。

ゾーニングデザイン Ti2-E Ti2-A

Ti2のボタンやスイッチの配置は、観察する照明の種類によって分類されています。透過観察の操作ボタンは顕微鏡の左サイドに、蛍光観察のボタンは右サイドに、両方の観察で使用するボタンは正面に配置。覚えやすい配置のため、観察方法の切替えや暗室での実験時にも気を取られることなくサンプルに集中できます。


① シャトルスイッチ (Ti2-E)

レボルバーや蛍光フィルターターレットを、手動に近い感覚で回転切替え可能。スイッチを押し込むことで、蛍光シャッターなどの関連する操作も行えます。BAフィルターホイールや外部位相差装置の操作を割り当てることも可能です。

② ファンクションボタン (Ti2-E/A)

シャッターなどの電動デバイス制御や、I/Oポートからの信号出力によるトリガー撮影など、100以上の機能が選択できます。複数デバイスの設定を登録し瞬時に観察方法を変更するモード機能も割り当て可能です。

③ フォーカスハンドル (Ti2-E)

フォーカスハンドルを握ったまま操作できる位置にZ粗動ボタンとPFSボタンを配置。それぞれのボタンは形状が異なるため、目視の必要なく確実に操作できます。フォーカス速度は使用する対物レンズに応じて自動調整されるため、常に最適な速度でストレスのないピント合わせが可能です。

ジョイスティック・タブレットから制御

ジョイスティックはステージ操作が行えるのはもちろん、フォーカスハンドルやPFS ボタン、ファンクションボタンを搭載。さらに、XYZ座標や顕微鏡各部の状態をディスプレイ表示できるため、顕微鏡から離れた場所での操作も快適です。また、タブレット端末などのスマートデバイスを顕微鏡にWiFi接続することにより、グラフィカルで多機能な顕微鏡コンソールとして使用できます。