AIにより、核染色をしていない細胞核を検出し、輝度測定が行えます。従来の二値化処理では細胞構造を区別できないため、いくつかの細胞を見落としていますが、AIで学習したセグメントは核膜を正しく認識し識別しています。
蛍光画像は、散乱光や焦点面以外からの光により不鮮明になることがありますが、AIを活用したツールにより、ノイズやぼやけた背景光を除去した高コントラスト画像を構築することができます。
NIS-Elementsは、ディープラーニングなどの最新AI技術を応用した高精度な画像処理・解析モジュールNIS.aiを搭載し、実験ワークフローの効率化に貢献します。多彩なAIモジュールにより、さまざまな解析ニーズに対応可能です。また、トレーニング済みのAIモジュールも複数装備しており、すぐに利用を開始できます。画像中のノイズ除去や無染色標本からの細胞抽出など、これまで膨大な時間と経験要した高度な画像処理も、ソフトウェアが高い精度で自動的に実行し、サンプルに与える光毒性の低減が期待されます(当社比)。さらに、AIを実験系に組み込むことで、取得・解析がより容易に行えます。ユーザー自身の画像データを用いて学習させることもできるため、より専門分野に合わせた解析も可能です。
AIにより、核染色をしていない細胞核を検出し、輝度測定が行えます。従来の二値化処理では細胞構造を区別できないため、いくつかの細胞を見落としていますが、AIで学習したセグメントは核膜を正しく認識し識別しています。
蛍光画像は、散乱光や焦点面以外からの光により不鮮明になることがありますが、AIを活用したツールにより、ノイズやぼやけた背景光を除去した高コントラスト画像を構築することができます。
Clarify.aiは、AIを活用して、蛍光画像からぼやけた背景光を自動的に除去します。
GPUの新技術により、焦点面以外からの光に起因する不鮮明な画像を、高速かつ効率的に鮮明な画像に変換できます。
Clarify.aiは、デフォーカス面からの蛍光シグナルを認識するよう、あらかじめ学習済みのモジュールのため、ユーザーによるAIのトレーニングや複雑なバイアスの導入は必要はありません。焦点の合った構造の情報は残したまま、このぼやけた背景光だけを自動的に除去します。あらゆる2Dまたは3Dの蛍光画像、撮像デバイス、倍率に対して使用が可能です。
60倍マルチチャンネル3Dワイドフィールド蛍光Zスタック画像。
左:Clarify.ai適用前、右:適用後
散乱光の大きな組織切片の20倍マルチチャンネル2D蛍光画像。左:Clarify.ai適用前、右:適用後
NIS.ai画像処理・解析モジュールにより、データ取得の効率が向上し、これまで複雑で困難だった解析も簡単に行えます。
Convert.aiは、2つの異なる観察方法における特徴を認識し、一方の観察方法で取得された画像からもう片方の観察方法の画像を予測するよう学習可能です。
例えば、光毒性の強い近紫外光を使用することなく、非染色で細胞核のセグメントが可能です。ニューラルネットワークが異なる2つの観察方法に共通な特徴を学習します。それにより片方の観察方法で画像取得をし、もう一方の画像を生成可能です。その結果、画像取得のスループットと細胞の生存率を向上します。
核のDAPI染色は細胞のカウントやセグメントの一般的な方法ですが、Convert.aiは、DIC画像や位相差画像において、DAPI標識の場所を予測するよう学習できます。予測した観察像を使用してセグメントやカウントが行えるため、DAPI染色や蛍光撮影を行う必要がありません。
画像ご協力:北海道大学電子科学研究所技術部 小林健太郎先生
サンプルの蛍光シグナルが非常に弱い場合は、画像の可視化が難しく、セグメントのための抽出も困難です。
また、蛍光サンプルの多くは褪色しやすく、できる限り速やかに撮影する必要があります。
Enhance.aiは、蛍光シグナルのはっきりした画像をネットワークに学習させることにより、シグナルの弱い画像でも高いS/Nで画像を構築することが可能です。短時間露光や光毒性を抑えた弱い照明光のイメージングに適用し、鮮明な画像を構築することにより解析に応用可能です。
近紫外光の影響を抑えるため、DAPI染色した核を短い露光時間で撮影しました。Enhance.aiを使用して、通常の露光によるS/N比を回復させることで、セグメントやカウントが容易に行えます。
輝度による従来の二値化ではセグメントがほぼ不可能な画像があります。Segment.aiは、従来の二値化や画像処理では抽出が困難だったターゲットに対する分類を、ニューラルネットワークに学習させることができます。
学習レシピを実際の画像に適用することにより、これまで手動でしか識別できなかったターゲットを認識し、セグメント処理が可能です。
位相差画像の神経突起は、従来の二値化では正確に抽出できません。Segment.aiは手動でトレースした神経突起を学習し、対象を認識することが可能です。
NIS-Elements AR基本パッケージに含まれるDenoise.aiを使用することで、共焦点画像からショットノイズを除去することができます。
ショットノイズは、連続的なサンプリング(画像取得)に伴うポワソン分布ノイズであり、すべての画像に含まれます。このノイズの特徴をあらかじめニューラルネットワークが学習済のため、ユーザーによるさらなる学習の必要はありません。
Denoise.aiは画像のショットノイズ成分を識別し除去できるため、光源の強度を低く抑え、その上イメージング速度を上げることができます。その結果、画像の明瞭さを向上しながら、露光時間の短縮や、低光毒性での長時間イメージングが可能となります。

Denoise.aiは元の構造と輝度値はそのままに、画像のショットノイズ成分を除去できます。
Clarify.aiおよびDenoise.aiは、あらかじめ学習済みのディープラーニングネットワークを使用しています。ユーザーが追加の設定やパラメーター調整を行う必要はなく、画像に対して自動的に適用することができます。
NIS.ai画像処理・解析モジュールは、ユーザーが指定する特定の実験パラメーターを対象とした、教師データを使用します。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して、教師データをもとに学習を行います。教師データは、少量の代表的なサンプルを従来の二値化や人の手によるトレースで作成することが可能です。
NIS.aiのインターフェースを使用することで、サンプル画像に高度なディープラーニングを簡単に行えるため、複雑なニューラルネットワークを設計して教師データを適用する必要はありません。
自動的に教師データをもとにニューラルネットワークを使用して学習を行います。これにより作成された学習レシピは、同様のサンプルに繰り返し確実に適用できるため、大量のデータを従来の方法に比べてはるかに高速で処理・解析できます。
NIS-ElementsのGA(ゼネラルアナリシス)/GA3は、解析の自動化を簡単にカスタマイズできるツールです。3Dボリュームや4Dトラッキングなどの複雑なワークフローの解析処理や統計処理も、解析テンプレートをドラッグ&ドロップするだけのシンプルな操作で、自動化の設定が行えます。
General Analysisにより、Convert.aiを明視野画像に適用して細胞核の画像を生成し、ノイズの多い蛍光画像にDenoise.aiを適用します。これらの画像をトラッキングすることで、細胞の動きを測定できます。この手順を複数のデータに適用して測定することもできます。
画像解析シーケンスをカスタマイズするGA/GA3や、複雑な実験をカスタマイズするJOBSなど、NIS-Elementsの各機能とNIS.aiを組み合わせることで、さまざまな画像取得プロトコルの開発が可能です。これにより、画像取得から解析までの実験ワークフロー全体を、一段と効率化することができます。
NIS.aiを使用した細胞カウントや特定の細胞状態の検出・解析などのさまざまな機能を、画像取得後だけでなく、画像取得シーケンスの中に組み込むことが可能です。AIによる解析結果のフィードバックに応じて、取得デバイスの制御パラメーターを実験中に自動で変更させることができるため、スループットを向上しながら、より複雑な実験系が構築できます。
JOBSにGAとNIS.aiを組み込んだ例
実験中におけるSegment.aiの使用例。マルチポイント撮影を行い、AIにより目的の細胞を検出します。
目的の細胞が検出されると実験シーケンスにフィードバックが行われ、光刺激や撮影条件の変更などが実行されます。
目的の細胞が見つからない場合は次のポイントに進みます。
AIは画像診断をはじめ、さまざまな用途に広く利用されています。スピードと精度においては、従来の数学的アプローチをはるかに上回ります。加えて、AIによる結果を検証し、その結果を演算解析に適切に利用できることが重要です。
NIS-Elementsは、学習フェーズにおいて、学習済みニューラルネットワークの信頼性をフィードバックすることが可能なため、正確な解析結果を導き出すことができます。また、ニューラルネットワークの効率の検証や、AIデータと実測データの比較を行うための、さまざまな解析ツールやワークフローも搭載しています。
●: 標準, ○: オプション
| Denoise.ai | Clarify.ai | Enhance.ai | Segment.ai | Convert.ai | |
|---|---|---|---|---|---|
| NIS C, Ar, Ar ML, Ar Passive | Included | Optional | Optional | Optional | Optional |
| Nis.aiモジュール | No | No | Included | Included | Included |
| Deconvolutionモジュール付加セット | No | Included | No | No | No |