画期的な進化を遂げたシリーズ最高峰の実体顕微鏡
分子生物学や発達生物学などの科学の境界は、細胞、組織、生体の研究による知見を分子レベルで結びつけようとする探求により、急速になくなりつつあります。これにより、分子生物学、細胞生物学、神経生物学、発生学、発達生物学、システム生物学などの幅広い分野において、単一細胞から生物全体までの幅広いスケールにわたるイメージングシステムのニーズが高まっています。
ニコンは、こうした要望に応え、「最大ズーム比25:1」「高い解像力」「明るい蛍光像」を備えた実体顕微鏡を開発しました。
ダウンロード 研究用システム実体顕微鏡 SMZ25/SMZ18 (6.56MB)
ダウンロード 実体顕微鏡総合カタログ (10.64MB)
世界最高のズーム比と高解像力
革新的なズーム光学系Perfect Zoom Systemにより、ズーム比25:1(ズーム範囲0.63x〜15.75x、SMZ25使用)を世界で初めて達成しました(2013年5月現在)。1倍対物レンズの単独使用時でも、35mmディッシュ全体から微細構造までを鮮明に捉えられます。
Perfect Zoom Systemによる高ズーム比の達成
ズーム変倍に連動して、光軸間距離が連続的に変化する機構の採用により、効率的な光束の取り込みに成功。これにより、世界最高クラスの最大開口数(NA)とズーム比の両立を可能にしました。
左右対称の光学設計により、両眼共に高い開口数を持ちながらも、自然な立体感のある像を取得できます。
実体顕微鏡の域を超えた圧倒的な解像力
高性能対物レンズ「SHR プランアポクロマートシリーズ」により、ズーム最大時に1100本/mm(実測値、SHR プランアポクロマート 2X使用)の高い解像力を実現。低倍対物レンズ使用時にも視野周辺まで明るい観察が可能で、輪郭に色付きのない鮮明な観察像が取得できます。
シームレスな観察をサポートするオートリンクズーム
対物レンズを切り替えると、今見ている視野を維持するように自動でズーム倍率が調整されます。低倍率での全体像把握と、高倍率での細部の観察の切り替えを連続的に行えます。
低倍域でも明るくムラのない蛍光像
蛍光照明装置に、実体顕微鏡の光学系として初めてフライアイレンズを採用しました。これにより、視野周辺までムラなく照明することが可能です。また、特にズーム低倍域において瞳全体を照明し、明るい画像が取得できます。
S/N比に優れたキレのある蛍光像
新開発の光学系により、高倍蛍光観察時のS/N比が飛躍的にアップ。従来の実体顕微鏡では観察しにくかった細胞分裂の様子や、微弱な蛍光も観察が可能になりました。
ズームボディの光学性能を大幅アップ
ズームボディのレンズに短波長域透過率が高く、自家蛍光の少ない硝材を採用したことで、シグナルの向上とノイズの減少に成功しました。蛍光照明装置と併せて従来の蛍光実体顕微鏡を大きく上回る検出能を誇ります。
簡単・便利なデジタルイメージング
顕微鏡デジタルカメラと画像ソフトウェアNIS-Elements、コントロールユニットDS-L4との組み合わせで、フォーカス位置/ズーム倍率/対物レンズ位置/蛍光フィルター位置/透過光量など、知りたい情報をモニター上ですぐに把握できます。
画像統合ソフトウェアNIS-Elements
SMZ25/SMZ18は、画像統合ソフトウェアNIS-Elementsにより、対物レンズなど各種顕微鏡情報の検出や電動ユニットの顕微鏡操作ができ、効率的に画像取得が行えます。
ライブ画像の表示・撮影から高度な画像処理・解析まで全てパソコン上でコントロール可能。より高度で多彩なデジタルイメージングが行えます。
マルチカラー
複数の蛍光波長や異なる観察方法を組み合わせて撮影し、重ね合わせ像を取得できます。
GFP(緑)とmCherry(赤)を発現させたショウジョウバエの胚の単一細胞(SHR プランアポクロマート2X、ズーム倍率8X、SMZ25使用)
作例ご提供:Max V. Staller, Ph.D., Clarissa Scholes, and Angela DePace, Ph.D., Harvard Medical School
タイムラプス
NIS-Elementsで画像取得の間隔、回数、トータル時間を設定して、経時的な変化を簡単に取得できます。
EDF(全焦点画像)作成
フォーカスの異なる画像を複数取得し、全体に焦点の合った一枚の画像や疑似3D画像を作成します。
焦点が合った領域を抜き出し、全体に焦点が合った一枚の画像を作成
ゼブラフィッシュ胚(SHRプランアポクロマート2X、ズーム倍率3.4X、SMZ25使用)
作例ご提供:理化学研究所 脳科学総合研究センター 発生遺伝子制御研究チーム 柿沼 久哉先生
簡単操作のOCC照明
省電力/長寿命で熱を持たないLED透過照明ベース/スタンドには、ニコン独自の斜光照明「OCC照明」を内蔵。胚の表面の凹凸などのコントラストを強調できます。
ゼブラフィッシュの胚(SHRプランアポクロマート1X、ズーム倍率5X、SMZ18使用)
作例ご提供:埼玉大学 脳科学融合研究センター 教授 中井 淳一先生
OCC照明は、スライドレバーを前後に動かすだけの簡単操作。目盛り付きのため、再現も容易。OCC 遮光板の挿入方向が前方から/ 後方からと二通りのため、コントラストの付き方を変えて観察できます。
OCC照明とは
Oblique Coherent Contrast の略で、Nikon が開発した斜光照明。真下から光を当てる通常の透過照明に対して、斜め方向から光を当てることで、無色透明な標本の構造のコントラストを上げる照明方法です。
使いやすさを追求したリモートコントローラー
ズームとフォーカスを電動化し、接眼レンズをのぞきながら手元で快適に操作可能。フォーカスノブが左右両方に付いているので、どちらの手でもオペレーション・顕微鏡操作を行えます。
ズーム倍率/対物レンズ/蛍光フィルター名/LED光量などの顕微鏡情報が一目でわかるLCDモニターは明るさ調節が可能です。
画像撮影に最適な垂直視切り替え
「 状態検出レボルバー P2-RNI2」の使用時に、簡単操作でステレオポジション(立体視モード)とモノポジション(垂直視モード)を切り替えることができます。