アプリケーションノート

H3K27me3、Lamin A/C、DNAの局在の3D超解像イメージング

2020年10月

細胞のゲノムDNAに巻きつかれるヒストン分子は、メチル化、アセチル化などの化学修飾を受け、遺伝子発現の制御に影響を与える。従って、増殖細胞において、分裂を経た細胞が元の細胞と同じ形質を現すには、DNA複製時に、DNAの状態だけでなく、ヒストンの化学修飾状態についても正確に複製されることが必要と考えられる。しかし、その分子メカニズムに関しては未解明な点が多い。
本アプリケーションノートでは、北海道大学大学院医学研究院分子生物学教室の及川司博士(分子生物学)により、がん抑制遺伝子産物p53の欠失時に、ヌクレオソーム構造(ヒストン分子にDNAが巻きついた構造)の複製期において、細胞核内メチル化ヒストンH3K27me3、核膜分子Lamin A/C、DNAがどのような位置関係にあるかを、超解像顕微鏡N-SIMを用いてイメージングした例を紹介する。


共焦点観察と比較した構造化照明顕微鏡法(SIM)

2018年9月

これまでの構造化照明顕微鏡(SIM)は、光の散乱や光学収差に起因する励起レーザーの縞パターンの劣化という課題により、固定組織の神経細胞における樹状突起スパインの観察にはあまり用いられていませんでした。


N-SIMを使用した、核ラミナの超構造の定量分析

2016年10月

ニコンのN-SIMやN-SIM Eシステムなどの、超解像の構造化照明顕微鏡法(SIM)は、共焦点顕微鏡や落射蛍光顕微鏡などの既存の顕微鏡では観察できなかった細部までの観察を可能にします。N-SIMシステムを使用することで、さまざまな核ラミンタンパク質の分布や、それらが形成する構造について、定量的な多色評価がどのように行えるかを紹介します。