お客様導入事例

時を超える性能 - VIB-KU Leuvenでの実用例

ニッキー・コートハウト氏
光学顕微鏡エキスパート - VIBバイオイメージング・コア・ルーヴェン、VIB-KUルーヴェン脳疾患センター

パブロ・エルナンデス・バラス氏
コア施設長 - VIBバイオイメージング・コア・ルーヴェン、VIB-KUルーヴェン脳疾患センター

100年以上にわたり、ニコンの顕微鏡システムは長期使用を前提に設計されてきました。今回は、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学 に設置されているNikon Center of Excellence内、VIB BioImaging Core Leuvenで活動するパブロ・エルナンデス・バラス氏とニッキー・コートハウト氏にお話を伺いました。お二人は、17年以上にわたって同ラボで使用されているニコンの A1 R共焦点顕微鏡システムを活用されています。その経験から、システムの耐久性だけでなく、現在も最先端の科学的発見を支え続けている様子をご紹介します。

時を越えて使い続けられるシステム

パブロ氏とニッキー氏によると、2009年に導入されたA1 R共焦点顕微鏡システムは、導入以来、ラボの中核をなす装置として活躍してきました。長期信頼性を念頭に設計された本システムは、一貫した画像品質と安定した性能を提供し続けることにより、彼らの神経科学やがん生物学の研究を支えてきました。

「こうした投資を決断する際、長期にわたって信頼できるツールであることは、重要な判断材料の一つです」

KU LeuvenでC2共焦点システムを使用する研究者

A1R共焦点システムは、導入からほぼ20年が経った今も、施設における主力機として活躍している

安定した画像性能の価値

ニコンのシステムの特長について尋ねると、パブロ氏とニッキー氏は信頼性、モジュール性、修理対応性、そして堅牢性を挙げました。「日本品質というコンセプトによく合っていると思います。長く使えるように作られている。また、正当な取引をしているという実感があります。長年にわたって研究を支えてくれるブランドを信頼することが、ある意味、自分たちの研究アイデンティティの一部になっていくのです」とパブロ氏は語ります。

システムが可能にした研究成果

ショウジョウバエ幼虫の神経系における Atg9 mCherry と Syt eGFP を示すライブ共焦点画像。(A)の赤枠は(A’)で拡大された領域を示す。白の矢じりは Atg9 mCherry 小胞を、オレンジの矢じりは Syt eGFP 小胞を示す。
参考文献1より改変。

VIB BioImaging Core Leuvenでは、ニッキー氏とイメージング専門家のセバスチャン・ムンク氏の専門知識の組み合わせにより、A1 R共焦点顕微鏡が多くの重要な研究に貢献してきました。EMBO Journalに掲載された最近の論文では、パーキンソン病関連タンパク質Rab39が、神経細胞における成分のリサイクル調節に関与していることが示されました¹。A1 Rによる観察により、Rab39がシナプスにおける重要な小胞の動きを制御していることが明らかになり、オートファジーの破綻が神経変性疾患にどう関わるかについての新たな手がかりが得られました。

GFP-PSEN1 または GFP-PSEN2(緑)を発現する一次海馬ニューロンを LysoTracker(赤)で標識した画像。挿入図は、GFP-PSEN2 と LysoTracker の共局在を示す。
参考文献2より改変。

2020年にCellに発表された別の研究では、A1 Rはタンパク質PSEN2がどのように細胞内でアルツハイマー病に関連するAβの特定プールを生成するかを解明する上で中心的な役割を果たしました²。高解像度イメージングと共局在解析により、PSEN2が主に酸性区画で機能し、処理する基質に影響を与えていることが実証されました。

「信頼性と品質のおかげで、今後もこれらのツールを使って重要な科学的貢献ができると期待しています」

A1R共焦点で取得された優れた画像の紹介。画像1:ショウジョウバエ脳の気管、深度擬似カラー表示。撮影:Nikky Corthout(Nikon AX-NSPARC)、サンプル提供:Miranda Dyson。画像2:マウス皮膚。撮影:Nikky Corthout(Nikon Ti2 Cicero)、サンプル提供:Cecilia Pazzi。画像3:ニューロン培養。撮影:Nikky Corthout(Nikon Ti2 Cicero)、サンプル提供:Celine Vrancx。画像4:上丘へ投射する大脳皮質ニューロン。撮影:Nikky Corthout(Nikon NiE Yokogawa CSU-X)、サンプル提供:Alex Calzoni

信頼性に基づく長期的なパートナーシップ

2世代の共焦点システムに加えて、ECLIPSE FN1 固定ステージ顕微鏡は20年以上にわたり施設を支えている

今後を見据えても、これらのシステムは継続中および将来の研究において中心的な役割を果たすと期待されています。パブロ氏とニッキー氏は次のように説明します。「信頼性と品質のおかげで、今後もこれらのツールを使って重要な科学的貢献ができると期待しています」

新しい技術が登場し続ける一方で*、A1R共焦点顕微鏡は重要な役割を果たし続けています。「最先端ではなくなりましたが、A1R共焦点顕微鏡は当施設のポートフォリオにおいて重要な主力装置であり続け、常に予約が入っている状態です」とパブロ氏とニッキー氏は指摘します。多くの研究において、信頼性の高い共焦点イメージングは実験作業の基盤であり、「ほとんどのプロジェクトで信頼性の高い共焦点イメージングが必要とされ、これらのシステムは今でもそれを提供できます」。その結果、これらの顕微鏡は「施設インフラの基礎的な部分」であり続けています。

技術的な性能を超えて、ニコンとの関係にはより深い意味があるとパブロ氏は語ります。「ニコンは私にとって単なるブランド以上のもの、一つの哲学です」。この視点は、科学者と装置の間の緊密な結びつきを示しています。「科学者と、何ヶ月もの時間を費やすことになるツールとの関係を理解することは、非常に重要です」

お二人の事例は、研究現場では長期にわたる性能の安定性、持続的なパフォーマンス、そして将来的な拡張性が求められていることを示しています。そして、ニコンのイメージングシステムがその要求に応えてきた実例でもあります。今後も、ニコン製品を長年にわたりご活用いただいているお客様の事例をご紹介してまいります。

*ニコンの A1 R共焦点顕微鏡は販売を終了し、AX R共焦点顕微鏡に置き換えられました。長期使用を前提に設計された第10世代ポイントスキャン共焦点顕微鏡については、詳細をご覧ください。

参考文献

  1. Kilic A. et al., “Soma localized Rab39 inhibits synaptic autophagy by controlling Atg9 vesicle trafficking,” EMBO Journal, 2025 Oct;44(20):5662-5693. doi: 10.1038/s44318-025-00536-8.
  2. Sannerud R. et al., “Restricted location of PSEN2/γ secretase shapes substrate specificity and generates an intracellular Aβ pool,” Cell, 2016 Jun 30;166(1):193-208. doi: 10.1016/j.cell.2016.05.020.

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