お客様導入事例

時を超える性能 - LIVにおけるイノベーションを支える長期使用の顕微鏡

クリスチャン・コンツェ博士
ハンブルク ライプニッツ・ウイルス学研究所(LIV)光学顕微鏡・画像解析テクノロジープラットフォーム 部門長

ニコン顕微鏡事業100周年を記念し、「Enduring Excellence(時を超える性能)」として、ニコンシステムを長年にわたり活用し、装置に組み込まれた持続可能性と長期的価値を体現している研究者の方々をご紹介しています。今回は、ハンブルクのライプニッツ・ウイルス学研究所(LIV)Nikon Center of Excellenceにて光学顕微鏡・画像解析テクノロジープラットフォームの部門長を務めるクリスチャン・コンツェ氏にお話を伺いました。コンツェ氏は研究者としてのキャリアを通じて、長期にわたり使用されてきたニコンの顕微鏡を活用されています。

ニコン顕微鏡との長きにわたる関係

LIVの顕微鏡プラットフォームにてAZ100顕微鏡を操作するクリスチャン氏

コンツェ氏がニコンのシステムに初めて出会ったのは、2016年の博士課程在籍時でした。当時すでに長年使用されていたECLIPSE C2共焦点システムを使用したのがきっかけです。年数を経たシステムでしたが、その実力はすぐに明らかになりました。「当時使用していたC2システムは、今日の視点からすればほぼ旧式といえるEZ-C1ソフトウェアで動作していました」とコンツェ氏は振り返ります。「その後、システムは段階的に近代化され、NIS-Elementsや新しいハードウェアコンポーネントが追加されました。そのおかげで、現在もオスナブリュック大学で稼働し続け、毎日使用されています。オスナブリュック時代の私の論文すべてに(最新のものは2025年に発表されたばかりですが)、この装置で記録されたC2スキャニング共焦点データが使われています」

この経験から、ソフトウェアは進化しても、優れた設計の光学システムは予想をはるかに超えた期間にわたって研究の第一線で活躍し続けられることが明らかになりました。「NIS-Elementsにアップグレードしてからは、このシステムへの評価がどんどん高まっていきました。ニコンの取得・解析ソフトウェアこそが、当時も今も、私がニコンのシステムを他社より好む最大の理由です」

持続可能な科学の柱としての長寿命性

導入からほぼ20年が経った今も、AZ100マルチズーム顕微鏡は施設において安定した信頼性の高い稼働を続けている。

コンツェ氏にとって、耐久性と持続可能性は切り離せないものです。「製品の長寿命性とアップグレード可能性は、極めて重要な役割を果たします。特に、納税者の資金が投入され、責任ある支出が求められる公的機関においてはなおさらです」

コンツェ氏は、長寿命性を単なるコスト面の問題としてではなく、製品の作り込みの証として捉えています。「質の低い製品は一般的に短命であることから、長寿命性は製品全体の品質を示す重要な指標です」

ニコンのモジュラーアーキテクチャも、持続可能性において重要な役割を果たしています。「システム全体を置き換えることなく、新しいイメージングモダリティ、ソフトウェア機能、またはハードウェアコンポーネントを統合できることが多いです。科学的な課題や方法論的な要件が時間とともに変化する研究環境において、このような柔軟性は不可欠です」

信頼性が新たな発見を可能にする

マウス大動脈のプラーク量を示す3Dボリューム解析(左図)。AZ100顕微鏡とC2+共焦点を組み合わせて取得した画像(右図)。参考文献1より改変。

長寿命性が発見を可能にした顕著な例として、LIVのイメージング施設で実施された心血管イメージング研究が挙げられます。標準的な共焦点手法では、定量的精度を損なうスティッチングアーチファクトが生じていました。その解決策として採用されたのが、C2+スキャンヘッドとAZ100マルチズーム顕微鏡という独自の組み合わせでした。

「この構成により、大規模な画像取得が可能になり、スティッチングアーチファクトが解消され、三次元アンフェイス・プラークボリュームの信頼性の高い定量が実現しました」とコンツェ氏は説明します。最終的な定量化はNIS-Elementsによる半自動セグメンテーションによって支援され、適応性の高いシステムが技術的な課題を研究の進歩へと転換できることが示されました。

EMBO Molecular Medicineに掲載された新たな論文では、研究者たちに長年使用されてきたBioStation IM-Qシステムを活用し、生きた心筋細胞におけるタンパク質凝集体の長期観察を行いました²。長年の稼働を経た後も、研究に必要な信頼性を提供し続けていることが示されています。

機械的・光学的・概念的に、長く使えるように設計

施設のBioStation IM-Qシステムは、ユーザーの進化するニーズに対応するため、独自のソリューションへと改修されている。

LIVでは、旧世代のニコンシステムが毎日の集中的な使用、施設の移転、多様な実験条件に耐え続けています。「ニコン製品は長期使用に適しており、堅牢な設計と高い製造品質で知られており、集中的な日常使用においても一貫した性能を発揮します」とコンツェ氏は語ります。

また、長期的な安心感についても強調しています。「装置の使用期間を通じてメンテナンスとサポートが継続的に提供されることがわかっていることで、装置が長年にわたって完全に稼働し、科学的に競争力を維持し続けるという確信が持てます」

研究アイデンティティを形成するパートナーシップ

コンツェ氏がニコンを選ぶ理由は、その信頼性とシステムとしての一体感にあります。「幅広いハードウェアおよびソフトウェア機能を統合するニコンシステムの柔軟性と、優れた信頼性の高い技術サポートが相まって、ニコンは当研究所にとって非常に価値あるパートナーとなっています」

コンツェ氏にとって、顕微鏡は単なるハードウェアではなく、研究者のアイデンティティの一部となるものです。一つのシステムが複数の研究の節目を、年月や機関をまたいで支え続けるとき、それは性能と長寿命性の両方に基づくパートナーシップを形成します。

*ニコンの C2共焦点顕微鏡は販売を終了し、AX R共焦点顕微鏡に置き換えられました。長期使用を前提に設計された第10世代ポイントスキャン共焦点顕微鏡については、詳細をご覧ください。
 

参考文献

  1. Jung, C., Christiansen, S., Kaul, M. G., Koziolek, E., Reimer, R., Heeren, J., Adam, G., Heine, M., & Ittrich, H. Quantitative and qualitative estimation of atherosclerotic plaque burden in vivo at 7T MRI using Gadospin F in comparison to en face preparation evaluated in ApoE KO mice. PLoS ONE, 12(8), e0180407 (2017). DOI: 10.1371/journal.pone.0180407 
  2. Alizoti, E., Ewald, L., Parretta, S. et al. JAK1/2 inhibitor ruxolitinib reduces aggregates in cardiac proteinopathy. EMBO Mol Med (2026). DOI: 10.1038/s44321-026-00411-x

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