アプリケーションノート

ニコン共焦点レーザー顕微鏡システムAXとJOBSを活用した Feedback microscopy パイプラインによるマルチスケール画像取得
個体レベルの画像からのターゲット領域画像取得を効率化
2025年5月
共焦点レーザー顕微鏡は、発生過程の魚などの個体全体から細胞レベルまでの多階層的な観察を実現する。本アプリケーションノートでは、ニコン共焦点レーザー顕微鏡システムAXを用いて、ミリメートルスケールの生物個体からマイクロメートルスケールの細胞内構造に至るまで包括的な観察を行った例を紹介する。まず、メダカ(Oryzias latipes)稚魚の個体全体の画像を取得し、側線系を構成する感丘の位置を特定した。続いて、特定した感丘に対し高解像度イメージングを実施して、細胞構成と形態を明らかにした。 高解像度イメージングに伴うデータ量の増大と処理時間の長期化という課題に対し、イメージングフロー作成ツールJOBS (Just One Button Screening) を用いて「Feedback microscopy」画像取得パイプラインを開発し実装した。本パイプラインの活用により、多数の感丘の効率的な検出と記録、取得データ量の最適化がなされ、側線系の包括的な解析を実現した。
キーワード:マルチスケール画像取得、Feedback microscopy、JOBS、個体イメージング、EGFP、感丘、器官同定の自動化