アプリケーションノート

ケラチノサイトの細胞周期解析と、Volume Contrastを用いた有糸分裂細胞のラベルフリー細胞数計測

2022年3月

ケラチノサイトは、化粧品開発、創薬、再生医療などさまざまな研究で用いられる表皮細胞です。ケラチノサイトでは、オートファジー誘導がメラノソーム分解を調節することが知られており、化粧品開発において美白成分の研究に使用されています。自己免疫疾患である乾癬は、ケラチノサイトの異常な細胞増殖によって引き起こされる皮膚病として知られています。細胞周期と細胞増殖の解析は、異常な細胞増殖を抑制する新薬の開発に用いられています。

細胞周期は、核内のDNAをHoechst33342またはPIで蛍光染色し、その蛍光強度を計測することによって、DNAの量から推定できます。本アプリケーションノートでは、画像統合ソフトウェアNIS-Elementsの General Analysis 3モジュールのBinning機能を使用して、核の総輝度値から細胞周期を解析した例を紹介します。また、間期と有糸分裂の細胞は厚みが異なるため、Volume Contrastモジュールを使用して厚みの異なる細胞を分類することにより、間期および有糸分裂の細胞数をラベルフリーで計測した例も紹介します。