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経内皮遊走(Transendothelial migration)
経内皮遊走(Transendothelial migration:TEM)とは、免疫細胞の血管外遊出プロセスのことです。免疫細胞は、異物や病原体、癌などから私たちの体を守る過程において、血流内を移動して炎症部位に到達します。炎症部位では血管内皮細胞から血管内腔へ炎症性サイトカインが放出されており、それにより免疫細胞が血管壁を通過して組織に侵入し、病原体を排除できるようになります。腫瘍組織への免疫細胞の浸潤における血管外遊出は、T細胞やNK細胞による養子免疫療法などの現代の癌治療における重要なプロセスの1つとなっています。
課題
経内皮遊走の観察 には、内皮細胞の培養、免疫細胞の単離と培養、灌流システム、ライブイメージングに関する専門知識が必要です。また、内皮細胞と免疫細胞間の相互作用の自動解析は、その複雑さゆえ大きな課題となっています。加えて、生体模倣システム(Microphysiological system:MPS)を使用して、経内皮遊走という動的かつ高速なプロセスを補足するには、「大きな」チップを適切な時間間隔で観察することが必要となり、大量のデータが生成されます。これらの課題から、経内皮遊走のイメージングとデータ収集・解析を担う包括的な3Dモデルシステムの構築は非常に困難でした。
NBILの解決法
免疫細胞及び内皮細胞生物学とその応用は、NBILの専門分野の1つです。当ラボはドナー血液からの血球分離(好中球、CD8+T細胞、NK細胞)、免疫細胞の増殖培養(CD8+T細胞など)、内皮細胞培養技術を提供いたします。また、2Dの灌流チャネルシステムから3DのMPSまで、TEM観察に役立つ様々な実験オプションを提供いたします。AIを活用したセグメンテーションルーチンと自動追跡アルゴリズムは、2Dの画像セットからでも個々の免疫細胞を追跡し、遊出細胞を自動的に定量化することを可能にします。