アプリケーションノート

smFISH法と蛍光顕微鏡画像解析による 単一細胞レベルでのsiRNA効果の定量評価

2025年5月

核酸医薬品は、18-30塩基程度のDNAやRNAから構成され、疾患の原因となる遺伝子発現の抑制、修飾、または補完を通じて効果を発揮する革新的な医薬品です。しかし、その研究開発においては、体内動態や薬効の向上が重要な課題であり、新規人工核酸やLNP(脂質ナノ粒子)の開発は特許競争の焦点となっています。また、創薬スクリーニング段階では、細胞レベルでの薬効や導入効率が代替指標として使用されています。特に、siRNA医薬品は標的mRNAの配列特異的な分解を介して遺伝子発現を抑制する仕組みを持ち、その評価にはリアルタイムPCRが広く用いられています。しかし、リアルタイムPCRでは配列依存的なノックダウン効率と細胞への導入効率を個別に評価することが技術的に困難であり、正確な性能評価の障壁となっていました。
 本アプリケーションノートでは、RNAを一分子レベルで可視化可能なsmFISH(single-molecule Fluorescence In Situ Hybridization)を活用し、siRNAのノックダウン効率と導入効率を独立して評価する新規手法について紹介します。

キーワード:smFISH法、RNAイメージング、General Analysis 3、siRNA医薬品