アプリケーションノート

深層学習技術を用いた、ニューロン領域およびアストロサイト領域のラベルフリー検出

2022年10月

複数種の細胞を共培養する場合、細胞種を特定するためには、一般にマーカー分子を用いた細胞標識を行う必要がある(参考文献1)。しかし、免疫染色による標識は細胞を固定する必要があり、生細胞観察には適さない。また、蛍光タンパク質などで生細胞を可視化する場合、遺伝子導入時や蛍光観察時の細胞への毒性が課題となる場合がある。
画像統合ソフトウェアNIS-Elementsの深層学習モジュールであるNIS.ai(Segment.ai)は、従来の二値化や画像処理では抽出が困難であった特定の細胞領域を、学習により検出可能とする技術である。本法を用いることで、複数の細胞種からなる非標識画像から各細胞種を検出することが可能となる。
本アプリケーションノートでは、自然科学研究機構 生命創成探究センター長である根本知己先生、同センターバイオフォトニクス研究グループの石井宏和先生、堤元佐先生にご協力いただき、ニューロンとアストロサイトの細胞共培養サンプルの透過(DIC)観察像からSegment.aiを用いてそれぞれの細胞領域を検出して定量解析した事例を紹介する。