アプリケーションノート

すべては観察から始まった

ー雪の結晶を顕微鏡で見てみようー

2026年3月

1936年に世界で初めて人工雪の結晶の作成に成功した、北海道帝国大学(現・北海道大学)の中谷宇吉郎教授は、アメリカのウィルソン・ベントレーが撮影した雪の結晶の写真集 1) に出会い、結晶の美しさと、自然の神秘に魅了されました。中谷教授は1932年に自然の雪を顕微鏡で観察することから研究を開始しました。そして、「雪の結晶は、天から送られた手紙である」 2) という言葉で表現し、雪の結晶の形や模様という暗号を読み解き、上空の温度や湿度の違いによって、多様な形態に成長することを明らかにしました。

雲の中で小さな氷の粒として生まれた雪の結晶は、水蒸気によって成長し、空からひらひらと舞い降りてきます。そして長い旅の終着駅として、地表に置かれた小さなスライドガラスの上にそっと降り立ちます。顕微鏡を覗いてみると、そこには同じ時刻、同じ場所に降ったとは思えないほど多様な形をした雪の結晶が観察できます。本アプリケーションノートでは、標高約1,100 m に位置する北海道・旭岳ビジターセンターで採取した雪の結晶の顕微鏡写真とともに、結晶のサイズを測定する方法をご紹介します。

キーワード:雪の結晶、雪結晶、自然科学、顕微鏡観察、透過光観察、斜光照明、ラインバーグ照明(カラー背景の暗視野照明)