対物レンズ

液浸対物レンズの使い分け

水浸対物レンズの特長

  • 培養細胞や培養液の屈折率に近く、球面収差の発生が少ないため、培養細胞など培養液中の標本の観察に最適
  • 体液の屈折率に近く生体適合性が高いため、生の組織切片やIn vivo観察などに最適
  • マルチウェルの多点観察など、浸液の供給が必要な観察にも水供給装置が威力を発揮

シリコーン浸対物レンズの特長

  • 多くの3D培養(オルガノイド、スフェロイドなど)や屈折率の高い臓器(肝臓など)の屈折率に近いため、深部観察時に球面収差の発生が少ない
  • オイルが37 ˚Cでも乾きにくく安定しているため、長時間タイムラプスに最適

シリコーン浸対物レンズ対応オイル:シリコーンイマージョンオイル 30cc

油浸対物レンズの特長

  • NAが全液侵対物レンズ中最も高いので、高解像が必要な観察に適する
  • カバーガラスの屈折率(ne =1.53)に近いため、サンプル表面(カバーガラス界面近傍)の観察に最適
  • 多くの封入剤の屈折率に近いため、封入剤を用いた固定標本の観察に最適

グリセリン浸(透明化標本用)対物レンズの特長

  • 透明化試薬の屈折率に近いため、透明化標本の深部観察が可能
  • 多彩な透明化試薬に対応
  • 補正環により透明化試薬の屈折率に合わせた球面収差補正最適化が可能

グリセリン浸(透明化用)対物レンズに適した透明化試薬の例:

Sca/e (n=1.38)*、 CUBIC2(n=1.48)、LUCID(n=1.47)、 FocusClear(n=1.45)、CRARITY(n=1.45)、 SeeDB(n=1.48)

*生体により屈折率は変わります

液侵対物レンズの特長比較一覧

浸液の種類
(対応倍率)
水浸(20X-60X) シリコーン(25X-100X) 油浸(40X-100X) グリセリン(10X-20X)
浸液の屈折率 水(ne=1.33) シリコーン (ne=1.41) オイル (ne=1.52) 透明化試薬 (ne=1.33~1.51:10X, ne=1.44~1.50: 20X)、グリセリン (ne=1.45)
観察に適したライブサンプル 培養細胞
屈折率の低い動物組織や臓器(マウス脳など)
生体適合性の必要な観察(In Vivo観察など)
マルチウェルの多点観察(水供給装置使用)
3D培養(オルガノイド、スフェロイドなど)
屈折率の高い動物組織や臓器(肝臓など)
長時間タイムラプス
高解像が必要な培養細胞や組織切片(サンプル表面)
観察に適した固定サンプル 固定培養細胞
屈折率の低い臓器の固定切片(マウス脳など)
屈折率の高い臓器等の固定切片
(肝臓など)
培養細胞(封入剤あり)
組織切片(封入剤あり)
透明化サンプル
(スフェロイド、オルガノイド、臓器など)