アプリケーションノート

複雑な組織構造の高精細イメージング
超解像共焦点レーザー顕微鏡システム AX R with NSPARCによる 効率的な組織全体の俯瞰とサブミクロンイメージング
2024年12月
腎臓の主な機能のひとつは、血液中の老廃物や塩分をろ過し、尿として排出することである。この機能は、腎臓内の糸球体という特殊な構造体が担っている。糸球体の複雑で「ふるい」のような構造は、腎臓を流れる血液を選択的にろ過する上で重要な役割を果たしている。腎臓内の糸球体は均一に分布しているわけではなく、皮質と髄質の境界付近に多く存在し、髄質深部には少ないといった分布の偏りがある。糸球体の分布を俯瞰的にとらえることは、腎臓内における機能の不均一性の理解につながりうる。このアプリケーションノートでは、ニコンの先進的な超解像共焦点レーザー顕微鏡システム AX R with NSPARCを用いて、腎臓組織標本の俯瞰像から今回のターゲットであるマウス糸球体を特定し、さらに糸球体内部の微細な3次元構造をサブミクロンレベルの超解像度で画像取得した事例を紹介する。
キーワード:糸球体、固体組織透明化、ポリマー包埋組織、高速レゾナントスキャン、ISM、エアリーユニット、屈折率