アプリケーションノート

プライマリー細胞を用いた、ディープラーニングベースのラベルフリー形態解析

2022年10月

従来、in vitroの薬効・薬理試験や創薬の安全性試験には、不死化した無限に増殖する株化細胞が使用されてきましたが、株化細胞は正常細胞の遺伝子に変異が蓄積し、もとの組織の性質が失われていることが分かってきました。そのため、もとの組織の性質を反映している正常細胞や患者由来のプライマリー細胞を用いたin vitro試験が求められています。しかし正常細胞は、限られた回数しか分裂しないため、セルベースアッセイに用いる十分な細胞数を確保することが困難です。一方で、近年ではディープラーニングを用いた画像処理技術により、ラベルフリーでライブセルの形態を解析できるようになり、少ない細胞数から多くの情報を得ることが可能になりました。本アプリケーションノートでは、NIS.aiのConvert.aiを用いて、ヒト表皮細胞であるケラチノサイトの明視野画像から生成したデジタルステイン画像が、蛍光画像よりも細胞領域の識別に優れており、ラベルフリーで細胞の形態解析が可能なことを検証した例を紹介します。