アプリケーションノート

三次元培養細胞モデル偽膵島の画像解析における ニコンGA3と他ツールとの比較分析
2025年3月
三次元(3D)培養細胞モデルとして注目されるスフェロイドやオルガノイドは、生体組織の複雑な構造を再現するため、研究において重要な役割を果たしている。しかし、その安定した培養法や形態の定量的解析方法の確立は依然として課題となっている。Rademakers博士らが発表した研究では、膵島を模倣する偽膵島の培養において、3種類のマイクロウェル培養プレートが使用され、その結果が比較された。さらに、ニコンの画像解析ソフトウェアGA3を含む4つのツールによる偽膵島の画像解析結果が評価された。核や細胞を対象とした解析において、GA3は高い汎用性を示し結果の精度も高かった。一方、オープンソースソフトウェアを用いた解析ではパラメーターの調整などの煩雑な処理が必要であり、解析結果もGA3に劣っていた。それらの結果より、Rademakers博士らは3D培養細胞モデルのイメージングと解析を行う上で、適切なツールや解析法を選択することが極めて重要であると強調している。本アプリケーションノートでは、Rademakers博士らによる比較・検討結果について紹介する。
キーワード:偽膵島(pseudoislet), セグメンテーション, GA/GA3