アプリケーションノート

NSPARCによる透明化したマウス脳組織中のグリア細胞の3D超解像イメージング
2024年10月
グリア細胞は神経細胞をサポートするなど脳の中で重要な生理的役割を担う細胞であり、神経変性や病変形成にも関与していることが示唆されている。例えば、アルツハイマー病などの神経変性疾患では、変性タンパク質の凝集や神経細胞死に関連してグリア細胞の活性化が見られている。このような疾患の進行と細胞の微細構造の関連を詳細に調べるためには、脳組織標本を高い空間分解能で観察することが必要である。
本アプリケーションノートでは蛍光免疫染色したマウス脳切片を透明化処理し、超解像共焦点レーザー顕微鏡システムAX/AX R with NSPARCを用いて4色で3D撮像した事例を紹介する。脳組織中のシナプスと2種のグリア細胞の突起の形態を3Dで、かつ高い空間分解能で同時に捉えることができた。
キーワド: NSPARC 、超解像イメージング、グリア細胞、アストロサイト、ミクログリア、シナプス、透明化、脳組織