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大阪大学・ニコンイメージングセンター シリーズセミナー第7回 「3次元組織学による臓器・全身のセルオミクスの実現」

スピーカー:

  • 洲崎 悦生 教授

    順天堂大学大学院医学研究科 生化学・生体システム医科学(医学部生化学第2講座)

近年のさまざまな組織透明化および3次元イメージング法の発展により、細胞解像度以上で臓器や全身を包括的に観察することが可能となりました。

本講演では、我々が開発するセルオミクスフレームワーク「CUBIC」を中心に、主に神経科学分野への適用例を中心に多細胞システム解析の最先端手法を紹介します。

CUBIC技術は全脳の神経回路や神経活動の描出、全脳全細胞解析、血管網解析を可能とする網羅的細胞回路解析技術です。近年では全臓器染色およびイメージングのための最新の手法「CUBIC-HistoVIsion 」を開発し、成体マウスの全脳、生体マーモセット半球、成人の死後小脳の約1cm3の組織ブロック、および乳児のマーモセット全身を均一に標識できるパフォーマンスを有する3次元組織学を実現しました 。さらに、全脳全細胞アトラス「CUBIC-Atlas」をリソースとしたウェブベースのクラウド解析ソフトウェア「CUBIC-Cloud」では、多数のマウス全脳イメージングデータを統合し、共通のアトラステンプレート上で定量解析するプラットフォームを提供しました。

これらのCUBIC関連技術は、多細胞系の臓器および全身スケールの組織学的分析を行うための高度な技術基盤として機能し、幅広い医学生物学分野でのシステミックな細胞・細胞ネットワーウ解析と機能理解に威力を発揮します。

主催: