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大阪大学・ニコンイメージングセンター シリーズセミナー 第2回 「正常上皮細胞と変異細胞間に生じる細胞競合」

スピーカー:

  • 藤田 恭之 教授

    京都大学・医学研究科・分子腫瘍学分野

現在のがん治療研究の潮流は、がん細胞と正常細胞の細胞内シグナルの違いを明らかにし、その差異をターゲットにしてがん細胞を特異的に攻撃するというものである。しかし、それらの研究で、がんは正常な細胞から起こり、正常な細胞に囲まれながら増えていくという「がんの社会性」についてはあまり顧みられることはなかった 。
がん細胞と周りの正常細胞はお互いの存在を認識できるのだろうか?また、両者は何か作用を及ぼし合うのだろうか?最近の研究によって、正常上皮細胞と隣接する変異細胞の間で細胞競合という現象が生じ、その結果、変異細胞が上皮細胞層から排除することが分かってきた。
本講演では、哺乳類における細胞競合現象について最新の知見を紹介し、細胞競合がどのように上皮組織の恒常性維持やがん化に関わっているかを論説する。

主催:

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