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大阪大学・ニコンイメージングセンター オープン記念シリーズセミナー 第5回 「FRETバイオセンサーを使った細胞間コミュニケーションの可視化」

スピーカー:

  • 松田道行 教授

    京都大学 大学院 生命科学研究科 ・生体制御学 ; 医学研究科・病態生物医学

同種あるいは異種の細胞間では様々な情報が伝搬されています。しかし、技術的な制約もあり細胞間で情報が伝搬される様子は、神経系以外の細胞ではあまり観察できていません。わたしたちは、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)の原理と蛍光タンパク質の技術に基づくバイオセンサーを開発し、細胞間で情報が伝搬される様子を培養細胞株やマウスにおいて可視化し、新たな生命現象の発見に挑んでいます。例えば、上皮細胞増殖因子を介するマップキナーゼ ERK の活性化が波のように伝搬し、これがマウス表皮細胞の集団運動を誘導するために必要であることを、近年、発見しました。また、肺の NK 細胞とがん細胞が一対一の対決をするときに、 NK 細胞側の ERK 活性化とがん細胞側のカルシウム発火とがセットになって起こることも見出しています。

本セミナーでは、分子活性の変化をライブで観察し、光遺伝学のツールで摂動を加え、その生理的意義をマウスで証明できるという、バイオセンサーを使った蛍光イメージングの魅力 をご紹介するとともに、生体イメージングの有用性について皆様と一緒に考えて見たいと思います。

主催:

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