精巣精子を使用した顕微授精(TESE-ICSI)の「これまで」と「これから」

2024-11-20
午後06:00(日本時間)
スピーカー:
水田 真平 先生
医療法⼈リプロダクションクリニック⼤阪/東京 培養部部⻑
⽇本における体外受精による出⽣児数は、2022年の最新の統計調査によると、77,206⼈となり全出⽣児(770,759⼈)の10⼈に1⼈という割合であった。私が胚培養⼠になった2005年は19,112⼈(56⼈に1⼈)、当院が開院した2013年では42,554⼈(24⼈に1⼈)と未だ右肩上がりである。
2022年度からの体外受精の保険診療化によって、より⾝近に感じることとなった⽣殖医療現場において、倒⽴顕微鏡は卵⼦に精⼦を注⼊する顕微授精に⽋かせない機器であると同時に、我々胚培養⼠にとっては仲間のような存在である。
近年、Ti2をはじめとした倒⽴顕微鏡は、より⾼倍率で精⼦を検鏡して選別するIMSIや、卵⺟細胞の紡錘体を可視化したICSI (Polscope)を、ソフトウェアを必要とせず顕微鏡のみで⾏えるよう進化を遂げてきたが、通常のICSI時でさえその解像度の向上を感じている。当院には多くの無精⼦症の患者が来院し、精巣内精⼦採取術(TESE)とその精⼦を使⽤したTESE-ICSIの実施件数が非常に多く、TESE-ICSIの精⼦探索では倒⽴顕微鏡と⻑い時間を共にする。
本ウェビナーではTESE-ICSIに係る経験とそのデータ、今後の倒⽴顕微鏡を⽤いた展望などについてお話ししたい。
主催: