アプリケーションノート

多光子顕微鏡を使用した、骨コラーゲン線維のSHGイメージングと定量解析

2022年6月

骨は、体を支える硬い組織であるが、無機成分(カルシウムなど)は重量比で45%しかなく、その半分以上はコラーゲンを主成分とする有機質および水で構成されている。骨は、コラーゲン分子が束ねられたコラーゲン線維に、カルシウムとリン酸を主体とした無機結晶が沈着したものである。折れにくい丈夫な骨は硬くてしなやかだが、硬さは無機成分が、しなやかさはコラーゲンが担っている。北海道大学大学院 歯学研究院 薬理学教室の飯村忠浩先生、佐藤孝紀先生は、骨粗鬆症治療薬のひとつであるPTH製剤(テリパラチド)の薬理作用について研究されている。本アプリケーションノートでは、多光子顕微鏡によるSHG (Second Harmonic Generation)イメージングとAI技術を組み合わせ、骨のコラーゲン線維の配列を定量評価した例を紹介する。