アプリケーションノート

Digital Sight 50Mの高解像性能を活かした低倍対物レンズアプリケーションによる細胞増殖アッセイの高スループット化

2023年3月

96ウェルプレートのようなマルチウェルプレートを用いたスクリーニングアッセイは創薬研究やアカデミアで一般的に行われており、薬剤の候補物質の取得や遺伝子解析に用いられている。近年、スクリーニングは候補化合物を探索・最適化するために必須のものとなっており、アッセイの高速化・品質管理が課題となっている。

本アプリケーションノートでは、 高画素数のフルサイズセンサーを搭載したFマウントモノクロカメラであるDigital Sight 50M (DS50M)の特長である高画素数を生かしたアプリケーションとして、ウェル全体像の取得ならびに形態解析による定量評価を行った(Fig.1a)。ウェル全体像をワンショットで取得することにより、(1)一度の撮像でウェル全体の細胞データを取得できる、(2)ウェル内の細胞の偏りを把握できる、というメリットがある。これらにより、必要十分な定量データの取得とウェル内の状態確認が可能なため、アッセイデータの安定的な取得および効率化に有用である。また、DS50Mの高画素数を生かし、ウェル全体をワンショットで撮像し解析できるため、スループットの大幅な向上が図れる。

本事例では、DS50Mと低倍レンズによる、解析の定量性と撮像スループットにおける有用性を評価するために、比較対象として蛍光観察に広く用いられる高感度カメラを用いて核カウントアッセイを行った。