アプリケーションノート

Segment.aiを用いた骨粗鬆症治療薬の新規薬理効果解析法
2024年6月
骨粗鬆症は、腰椎や大腿骨頚部などの体を支える重要な部位に骨折を引き起こす可能性があり、要介護をもたらす主要な要因の一つである。従って、骨粗鬆症治療薬の効果の評価は非常に重要である。これまで骨粗鬆症治療薬の効果は、主に骨の内部の海綿骨で評価されていた。しかしながら、骨折の多くは骨の外壁である皮質骨が薄く弱くなった部位で起こると考えられているため、海綿骨だけではなく皮質骨の微細構造を評価することが必要である。
北海道大学大学院歯学研究院の飯村忠浩教授、星(沼端)麻里絵先生らは、骨粗鬆症治療薬が皮質骨の微細構造に与える影響を解明するため、画像統合ソフトウェアNIS-Elementsのディープラーニング機能であるNIS.aiのSegment.aiを用いた形態認識を利用した解析法の確立を行った。
本アプリケーションノートでは、 Segment.aiによる形態認識を用いて、骨粗鬆症治療薬PTH(副甲状腺ホルモン)製剤による皮質骨への薬理学的作用を解明した例を紹介する。