アプリケーションノート

対物レンズ浸液と組織透明化試薬の屈折率不一致が深層部の解像力に及ぼす影響

2022年4月

特徴的な形状を持つプルキンエ細胞は、可視光励起によるコンフォーカル観察では細胞が存在する表層から深層部位までを捉える事は、例え透明化処理した小脳組織でも困難であり、IR励起による多光子共焦点観察が適している。しかし、特に深層部位での詳細な観察では、対物レンズの浸液と組織内との屈折率の差が画像の明るさや解像力に影響する。本稿では、異なる観察深度においてこの屈折率差がどの様に影響を及ぼすのか?について注目した。また蛍光ビーズを用いた深さごとの光軸方向のPFSの状態をとらえ、それを用いた非線形デコンボリューション処理を試みて、画像の光軸方向の伸びに対する改善効果を検証した。