Focus On IVF

生命の誕生を支える顕微鏡技術

ニコンの顕微鏡は、生殖補助医療(ART)の発展に重要な役割を果たしてきました。たとえば、イギリスでの体外受精(IVF)による世界初の赤ちゃんの誕生には、ニコンの顕微鏡が貢献しています。

また、ニコンは観察中の環境ストレスを最小限に抑え、細胞の生存率を高く維持するという、IVFのニーズに深く寄り添い、優れた光学品質と細胞に優しい観察方法を提供してきました。

今日においても、顕微鏡は生殖補助医療のさまざまな場面で重要な役割を果たしています。例えば、卵子の検索や裸化に用いられる実体顕微鏡や、受精卵の確認や顕微授精に用いられる倒立顕微鏡、精子の観察に用いられる正立顕微鏡など、多岐にわたります。

ART(生殖補助医療)に

精子の分析や選択に

サンプルに明暗のコントラストをつけて観察できる位相差観察装置や、サンプルへの熱の影響を防ぐLED光源を有する正立顕微鏡は、運動精子/不動精子の総量・濃度・運動率などの計測を行う精子運動解析システム(CASA)*との連携も可能になります。

*別途お客様でご用意いただく必要があります。

卵子の選択や絨毛膜摘出などに

前核が3つの異常胚

前核が2つの正常胚

さまざまなズーム倍率に設定可能な実体顕微鏡により、卵子や胚を適切な倍率で観察できます。優れた光学性能と視野全域にわたる均一な照明を実現。エルゴノミクスに基づいたデザインで、長時間観察による身体への負担にも配慮した設計です。観察に必要な倍率をお知らせいただければ、お使いのクリーンベンチや作業スペースに適切な製品をご案内します。

ICSIによる顕微授精に

ニコンのNAMC(Nikon Advanced Modulation Contrast)観察法は、無色透明なサンプルにレリーフ状の陰影をつけて観察できるため、ICSIにおける精子の選択に適しています。また、倒立顕微鏡ECLIPSE Ti2は、顕微鏡用カメラをはじめとする、顕微授精のためのさまざまな装置*を搭載できる拡張性を備えています。

*別途マニピュレーターやステージヒーターをお客様にご用意いただく必要があります。

ICSIの過程 画像ご協力:Dr Pierre Boyer, Laboratoire d’AMP, Hôpital Saint Joseph, Marseille, France

紡錘体観察に

ニコンの紡錘体観察システムを使用することで、顕微授精時に紡錘体の正確な観察が可能になり、紡錘体を損傷する可能性を低減できます。専用のコンデンサーモジュールとアナライザーを挿入するだけの簡単操作のため、NAMC観察との切り替えが素早く行えます。

矢印で示すように紡錘体に色を付けて観察できます。コンデンサーモジュールを90度回転させるごとに、赤と青の色の切り替えが可能です。

紡錘体観察システムTI2-C-SO

画像データの取得に

ニコンは、顕微鏡に搭載するカメラやソフトウェアを幅広くラインアップ。精子の選択や卵子の準備から、ICSIによる顕微授精、胚生検、アシステッド・ハッチングにいたるまで、ARTのあらゆる過程における画像取得をサポートします。