13.観察位相差検鏡で観察する

位相差検鏡とは

  • 位相差検鏡とは、透過照明を使用することで、生細胞など無色透明の標本を非染色で観察できる方法です。
  • コンデンサー側のスロットにリング絞りのある位相差用スライダーを入れ、同じPHコードを持つ位相差対応の対物レンズを光路に入れることで、位相差検鏡の状態になります。
位相差用スライダーでの検鏡法 位相差用コンデンサーでの検鏡法

位相差検鏡の準備

  • 以下の光学部品が使用可能であることを確認します。
  • 10X-40X用スライダー(位相差用スライダー)
    • 10X、20X、40Xの位相差対物レンズに対応します。位相差検鏡に切り替えるときに、コンデンサー側面スロットのダミースライダーを抜いて挿入します。
  • 100X用スライダー(位相差用スライダー)
    • 100Xの位相差対物レンズに対応します。中空位置がありますので、事前に中空位置を光路に入れておき、位相差検鏡に切り替える時にスライダーを操作して位相差用の位置に光路を入れます。
  • 位相差検鏡対応の対物レンズ(PH対物レンズ)
    • レボルバーにレンズを取り付ける際、スライダーのPHコードに対物レンズのPHコードが合致するものであることを確認しておいてください。

位相差用スライダーと対物レンズの対応表

位相差用
スライダー
対物レンズ
PH コード 対物 NA
10X-40X 用 PH1 0.25〜0.5
PH2 0.55〜8.5
100X 用 PH3 0.9〜1.4
  • GIFフィルター(グリーン干渉フィルター)
    • 位相差検鏡時にフィールドレンズ部に装着すると、位相差像のコントラストが向上します。
  • 心出し望遠鏡
    • リング絞りの位置調整時に使用します。

位相差用スライダーでの検鏡法

位相差検鏡で観察する

  • 観察の準備」を参考に、位相差観察用の10Xの対物レンズでピントを合わせます。
  • ステージを上げ、コンデンサー上下動ノブを調節してコンデンサーを下げ、コンデンサーを取り出します。
  • 取り出したコンデンサーからダミースライダーを取り外し、位相差用スライダーをはめ込みます。
  • コンデンサーを元の位置に戻し、コンデンサー開口絞りレバーを全開にします。
  • スライダーをPH1に合わせ、カチッと音がするまで押し込みます。
  • 視野絞りダイヤルとコンデンサー上下動ノブを調節し、ピントを合わせます。
  • 心出し望遠鏡を取り付け視野の調節を行い、効き目で心出しを行います。
    ※接眼レンズ部のセットネジは樹脂製のため、強く締めすぎないようご注意ください。
  • 40Xの対物レンズに切り替え、スライダーをPH2に合わせて、再び心出しを行います。
  • 心出し望遠鏡を取り外し、接眼レンズに差し替えます。
    10Xの対物レンズに切り替え、スライダーをPH1に合わせます。
  • GIFフィルターをフィールドレンズ部に取り付けます。
  • 標本にピントを合わせて、位相差観察を行います。
  • 詳しく観察したい箇所を視野の中心付近に移動し、対物レンズの倍率をあげて観察を行います。

位相差用コンデンサーでの検鏡法

位相差コンデンサーの取り付けと観察の準備

  • Si 位相差コンデンサーをECLIPSE Siに組み込むためには、既に組み込まれているコンデンサーから内枠部品を取り外して、Si 位相差コンデンサーに組み替える必要があります。
  • ステージを上げ、コンデンサーを下げます。両側のコンデンサー心出しノブを緩め、コンデンサーを取り出します。
  • 取り外したコンデンサーの裏面にある“コンデンサー取付け部の内枠部分” を、ECLIPSE Siに付属の六角レンチを使って取り外します。
  • Si 位相差コンデンサーに付属している組付け用ねじで “コンデンサー取付け部の内枠部分” を取り付けます。
  • Si位相差コンデンサーの下側をホルダーの奥に押し当てながら、Si 位相差コンデンサーの手前側をホルダー内に入れてください。
    この時、コンデンサー取付け部の内枠部分の突起がコンデンサーホルダーの溝にはまっていることを確認してください。
  • ステージ移動ノブを回し、六角の高さ固定ねじが⾒える位置までステージを前方に移動します。高さ固定ねじを、付属の六角レンチを使って緩めます。
  • ステージ中央の開口部に、高さ調整用工具の凸部がはまるように押し当て、コンデンサー上下動ノブで、高さ調整用工具の底面がコンデンサレンズの上面に接触するように、Si 位相差コンデンサーの高さを調整します。
  • 六角の高さ固定ねじを締め、コンデンサーの高さを固定します。

位相差コンデンサーで観察する

  • コンデンサーターレットを回して、ポジション表示を[A](中空)に合わせてから、「観察の準備」を参考に、位相差観察用の10Xの対物レンズでピントを合わせます。
  • コンデンサータレットを回して、PH1に合わせます。
    • 視野絞りダイヤルとコンデンサー上下動ノブを調節し、ピントを合わせます。
    • 心出し望遠鏡を取り付け、対物レンズの位相リングにピントを合わせ、効き目でリング絞りの心出しを行います。
      ※接眼レンズ部のセットネジは樹脂製のため、強く締めすぎないようご注意ください。
    • 40Xの対物レンズに切り替え、ターレットをPH2に合わせて、再び心出しをします。
    • 心出し望遠鏡を取り外し、接眼レンズをはめて、10Xの対物レンズに切り替え、ターレットをPH1に合わせます。
    • GIFフィルターをフィールドレンズ部に取り付けます。
    • 標本にピントを合わせて、位相差観察をします。
    • 詳しく観察したい箇所を視野の中心付近に移動し、対物レンズの倍率をあげて観察します。
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